「万博は必要ない」「興味なし」じゃなかったの? 《けっきょく"盛況"の大阪・関西万博》あれだけ酷評されるも、連日話題になっているワケ

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一方、酷評・侵害は現地に行かずに発信している人が多いため、説得力のある称賛・擁護を受けるといったんトーンダウンせざるを得ません。ただ、それでも酷評・侵害をする人々が完全に沈黙することは考えづらく、今後は何らかの不足などを見つけて声をあげていくでしょう。

そこに再び称賛・擁護をかぶせ、さらに酷評・侵害をかぶせて……というように話題性という点では好循環の攻防が続いていくのではないでしょうか。

メディアのマッチポンプは要注意

この点でもう1つ言及しておきたいのは、ネットメディアがマッチポンプのように報じていること。

実際、「前評判の悪さを利用してカウンターとなる称賛・擁護の記事を報じ、そこに酷評・侵害の記事をかぶせて賛否両論のムードにつなげ、さらに称賛・擁護の記事、酷評・侵害の記事を繰り返し報じることでPV獲得を狙う」という戦略がすでに見られます。

ネットメディアの編集者たちは、単に酷評・侵害の記事ばかりでは短期間で飽きられてしまうことをわかっていて、現在のような称賛・擁護との両論が飛び交って盛り上がりが続く状態を作ろうとしているのでしょう。

今後も多くのネットメディアは半年間の期間中、このような戦略を続けていくことが推察されます。

だからこそ記事を見る私たちはそんな思惑に利用されることなく、情報を冷静に受け止めたうえで取捨選択していきたいところ。もしかしたら大阪万博は多くの記事やコメントが飛び交う中で本質を見極める目が問われるイベントなのかもしれません。

それでも国内の国際博覧会は10年に1回程度の開催頻度だけに、いくつかの問題点こそあっても、イメージだけで「つまらない」「行かない」と決めつけてしまうのはもったいないように見えます。

「地球規模の課題解決に寄与する」という万博の目的も含め、本当に時代遅れのイベントで自分が楽しめないものなのか。よく考えて自分なりのスタンスで接すればいいように思います。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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