「土下座は自主的だった」と万博協会は説明したが…《大阪・関西万博》「"カスハラ"で土下座」事案に運営が学ぶべきこと

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
大阪万博
警備員が来場客に土下座する動画が拡散。万博運営は、今回の事案をどう反省し、学びにするべきなのか(画像:公式サイトより)

大阪・関西万博の会場で、警備員が来場客に対して「土下座」していたとの動画が拡散され、注目をあびている。

運営側は警備員が自主的に土下座したとの認識を示しているが、SNS上では「カスタマーハラスメント(カスハラ)ではないか」といった指摘が相次いでいる。

しかし、ネットメディア編集者の筆者は「カスハラの有無」よりも、より重要な論点があると考えている。あらゆる出来事が現地から拡散される「スマホ社会」について、どこまで運営側が現状把握できていたのか。その認識の甘さが、次なる問題を招くのではないかと心配しているのだ。

土下座は「自主的」に行われたとの認識

動画は2025年4月17日16時ごろ、会場の出入り口付近で撮影されたとされる。

警備員らしき制服に身を包んだ人物が、目の前にいる男性に向けて、土下座している光景が記録されている。撮影者は遠巻きから捉えていたのか、映像は徐々にズームしていく。そして男性がなにかを大声で叫ぶと、警備員は立ち上がった。

この映像は4月21日にフジテレビで報じられ、ネット版の記事としても配信された。フジ報道では撮影者が取材に応じ、「男性が『土下座しろ』的な大きな声を発して、警備員が土下座した状況」だと説明。加えて、撮影者の横にいた別の警備員が「『これがカスハラなんだな』という話をしていた」と振り返った。

次ページ「カスハラだ」と断定するには証拠が不十分
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事