「土下座は自主的だった」と万博協会は説明したが…《大阪・関西万博》「"カスハラ"で土下座」事案に運営が学ぶべきこと
今回の一件で、カスハラの有無より重要だと感じるのは、開催に向けて、どれだけ「発生しうるリスク」をイメージトレーニングしてきたかではないか。実際に起きて、初めて検討するとなれば、後手後手の対応となり、準備不足と一貫性のなさが露呈してしまう。
実際に主催サイドは、日本共産党の機関紙「赤旗」による取材をめぐり、当初は拒否の姿勢を見せていたが、後に条件付きで許可している。態度を二転三転することで、より世間からのイメージが悪化することを、どれだけ予想できていたのだろうか。
「先進国」としての姿勢が問われている
「土下座動画」は、氷山の一角にすぎない。撮影や拡散により可視化されていないだけで、他にも起きている可能性は否定できない。同様の事例が起きたとき、「あのときしっかり向き合っていれば」とならないためにも、早急に「スタッフ保護」の再発防止策を打ち出す必要があるだろう。
繰り返すようだが、このイベントは「万国博覧会」だ。世界中から人や技術を集める場であると同時に、開催国を発信する場でもある。ここで適切な対応を取らない限り、世界に「日本はハラスメント大国だ」とのメッセージを与えかねない。
「男性がカスハラだったか」は、あくまで細部の話でしかない。重要なのは「ハラスメントの有無を問わず、来場者やスタッフを守る姿勢」を示せるかだ。日本が「先進国」としての姿勢を見せるために、まだ挽回の余地は残っている。
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