「土下座は自主的だった」と万博協会は説明したが…《大阪・関西万博》「"カスハラ"で土下座」事案に運営が学ぶべきこと

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今回の一件で、カスハラの有無より重要だと感じるのは、開催に向けて、どれだけ「発生しうるリスク」をイメージトレーニングしてきたかではないか。実際に起きて、初めて検討するとなれば、後手後手の対応となり、準備不足と一貫性のなさが露呈してしまう。

実際に主催サイドは、日本共産党の機関紙「赤旗」による取材をめぐり、当初は拒否の姿勢を見せていたが、後に条件付きで許可している。態度を二転三転することで、より世間からのイメージが悪化することを、どれだけ予想できていたのだろうか。

「先進国」としての姿勢が問われている

「土下座動画」は、氷山の一角にすぎない。撮影や拡散により可視化されていないだけで、他にも起きている可能性は否定できない。同様の事例が起きたとき、「あのときしっかり向き合っていれば」とならないためにも、早急に「スタッフ保護」の再発防止策を打ち出す必要があるだろう。

繰り返すようだが、このイベントは「万国博覧会」だ。世界中から人や技術を集める場であると同時に、開催国を発信する場でもある。ここで適切な対応を取らない限り、世界に「日本はハラスメント大国だ」とのメッセージを与えかねない。

「男性がカスハラだったか」は、あくまで細部の話でしかない。重要なのは「ハラスメントの有無を問わず、来場者やスタッフを守る姿勢」を示せるかだ。日本が「先進国」としての姿勢を見せるために、まだ挽回の余地は残っている。

【もっと読む】「ついに一時代が終わった」「こんな形で…」との声も。《「ダウンタウンDX」放送終了》に見る"共犯関係"で作る番組の終焉 では、放送終了が明らかになった「ダウンタウンDX」について、タレントとテレビ局の"共犯関係"という観点から、コラムニストの城戸譲氏が詳細に解説している。
城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

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