シン読解力がなくて目の前の課題が解決できない人に対しては、「もうちょっとちゃんと読みなさいね」とか「頑張りなさい」とか言って済ませてきました。
「シン読解力」の目線で仕事と産業構造を考える
そのシン読解力をどう伸ばしていくのかを新井さんはこの本の中でも提示していますが、その方法をさらに普遍的なシステムにしていくのか、そしてシン読解力の欠如が我々の仕事にどう影響を与えるのか、ということはこれからさらに明らかにしなければならない課題でしょうね。
そのためには、シン読解力の低い人が、社会でどんな仕事をしているのか、シン読解力が低くても対応できる仕事があるのか、ということを観察していくことが大事だと思います。
スキルが低いからダメなのではなく、適した仕事があり、その適した仕事に対してきちんと十分な対価が支払われているか、ということです。
人手不足は、今後も解消しません。その中で、介護や保育、運送業など、現在は不当に賃金が安いけれども重要な職種がたくさんあります。
コロナ禍でエッセンシャル・ワーカーが注目されたように、それぞれの現場の仕事をリスペクトし、少ない労働人口、生産人口を上手に活用していかなければいけません。
そう考えると、シン読解力の重要性を認識することがきっかけになって、産業構造も変わっていくかもしれないですね。
そのためには、シン読解力を偏差値のように扱ってはいけないのです。適材適所の視点として、取り入れられていくといいですね。
東大に行ったから、大企業に入ったから成功、という時代ではなく、道が多様になって面白くなっている時代。だからこそ、それぞれの人に道があるんだよ、と教えてあげられる希望の持てる数字になっていってほしいですね。
(つづく)
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