そこに向かない人、向上しない人をなんとか別の部署に移すが、ではその人をどう活用するか悩む、ということが起きているわけですよね。
過去に比べると今は、パワハラやコンプライアンスを恐れ、マネジャー(管理職)が部下をコントロールしたり、誘導したりしづらくなっています。すると結局、本人が自分で自分の適性を見つけるしかなくなる。
だからこそ、マネジャーの仕事がとても重要です。AIに奪われない究極の仕事は、マネジャーだと僕は思っています。
これからの「プロマネジャー」の仕事とは
組織内の人間関係や、部下一人ひとりのやる気や適性を把握したうえで、上層部との関係も維持していくには、その分野のプロというよりはその会社のプロにならないといけない。
臨機応変の対応だから一般化できない。自分の会社のプロだから、転職したときあまり役に立たないんです。
すると、転職が当たり前になっている今は、本来持っている専門性を磨いたほうがいいという議論になり、管理職をやりたがらない人が増える。
プロ経営者という存在があるように、これからはプロマネジャーというのが確立してもいいのではと思います。
そのプロマネジャーに求められる能力の1つが、シン読解力の低い人や、シン読解力は低くはないけど能力を発揮できていない人などを、いかに適材適所で生かしていくかということになるでしょう。
1つ重要なことは、シン読解力は偏差値のように上下をつける指標ではなく、適性を見る指標として使うべきだということです。優劣をつけるためではない。
トレーニングすれば十分に矯正・向上が可能であると新井さんは著書の中でおっしゃっていて、その通りだと思います。
識字率は高くても教科書がちゃんと読めていないという事実は、新井さんがRSTの開発を始めるまで可視化されてこなかったから、当然、それを向上させようという考えや努力がまずなかったんですよね。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら