KDDI松田浩路新社長が就任会見で新施策発表、AIマーケット構想と300億円ファンドで通信の先へ挑む

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松田浩路新社長
4月10日の就任会見に臨んだKDDIの松田浩路新社長(筆者撮影)
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「準備万端」「先手必勝」――KDDIの新社長、松田浩路氏が好む言葉だ。4月10日の就任会見に臨んだ松田社長は、さっそく複数の新施策を発表した。SpaceXと提携した衛星通信サービスの同日開始をはじめ、AIサービスを集約する「AIマーケット」構想、300億円規模のスタートアップ新ファンド組成など、同社の次なる成長ステージへの道筋を示した。

松田社長は「夢中に挑戦できる会社」をビジョンに掲げ、「つなぐチカラ」を核とした3つの挑戦を打ち出した。

「夢中に挑戦できる会社」
「夢中に挑戦できる会社」をビジョンとする(筆者撮影)

 KDDIの立ち位置と経営の変遷

KDDIは国内通信業界「三強」の一角を占める企業だ。auブランドの携帯電話事業を中核に、固定通信、金融、エネルギーなど多角的な事業展開を進めてきた。2024年3月期第3四半期時点の携帯電話契約数は約3200万回線、国内シェアは約31%でNTTドコモに次ぐ2位の位置にある。

業界は転換点を迎えている。2019年の「値下げ要請」を経て始まった料金競争は激化し、本家auだけでなくUQモバイル、povoといったサブブランドでの顧客獲得が不可欠になった。さらに楽天モバイルとのローミング契約が2026年半ばに終了予定であり、5G基盤整備の巨額投資も続く中、「通信の先」の価値創出が急務となっている。

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