寡占化するスマートフォン市場に新たな風。“背面が光る”英Nothingが楽天モバイルと手を組み日本展開を加速

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Nothing Phone (3a)
英Nothingが4月8日日本に投入した「Nothing Phone (3a)」(筆者撮影)
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寡占化が進むスマホ市場では珍しくベンチャー企業が日本で存在感を示しつつある。イギリスを拠点とするスマートフォンメーカーNothingが、新モデル「Nothing Phone (3a)」を日本市場で発表した。最大の注目点は、日本の大手通信キャリアとして初めて楽天モバイルと提携し、専用カラーモデルを販売する点だ。

「テクノロジーを再び楽しく」する新興ブランド

Nothingは2020年に設立されたスタートアップで、 スマホメーカーOnePlus共同創業者のカール・ペイ氏が「テクノロジーを再び楽しいものにする」というビジョンを掲げて立ち上げた。スマートフォン業界が技術スペックの競争に偏り、製品が均質化していくなかで、デザインと使い勝手に焦点を当てた差別化戦略を展開している。

「透明性」を核にした独自のデザイン美学は、初代製品から注目を集め、アメリカのTIME誌から「Best Inventions(最優秀発明賞)」も受賞。これまでに5種類のオーディオ製品、5種類のスマートフォン、2種類のスマートウェアラブルを展開し、全世界で累計700万台以上の販売、累計売上10億ドルを達成している。

同社の特徴は、製品開発の初期段階からファンコミュニティを巻き込む姿勢にある。まずコミュニティを形成し、そこから8000人以上の個人投資家を募るという独自のアプローチを取った。

Nothing Phone (2)のコミュニティエディションでは、ハードウェアデザイン、壁紙デザイン、パッケージ、マーケティングキャンペーンを一般ユーザーから公募し、同社デザイナーやクリエイティブチームと共同で製品化している。

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