寡占化するスマートフォン市場に新たな風。“背面が光る”英Nothingが楽天モバイルと手を組み日本展開を加速

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今回発表されたPhone (3a)は、同社のスマートフォンラインナップの中で「ミッドレンジ・プラス」セグメントを担う製品だ。低価格帯の「CMF Phone 1」、エントリーミッドレンジの「Phone (2a)」の上に位置し、フラッグシップの「Phone (2)」との間を埋める役割を持つ。

GoogleのPixelシリーズのaモデルやSamsungのFEモデルと同様、フラッグシップモデルの機能を一部継承しつつも価格を抑えた設計となっている。背面素材の改善など、従来のミッドレンジモデルからの明確な改良を実現しつつ、フラッグシップモデルとはプロセッサーやカメラ機能などで適度な差別化を保っている。

「第2の記憶」機能で差別化

Nothing Phone (3a)の製品としての印象的な機能は「Essential Key」と呼ばれる専用物理ボタンだ。このボタンを押すだけで「Essential Space」と呼ばれるAI支援システムにアクセスでき、日常で目にした情報やアイデアを「第2の記憶」として保存・整理できる。長押しで音声メモを録音したり、ダブルタップで保存情報の一覧を表示したりすることが可能だ。

Essential Space機能
音声メモやWebサイトを記録できるEssential Space機能。オンデバイスのAIで要約した内容を保存できる(筆者撮影)

この「Essential Space」機能は現在コミュニティベータの段階で提供されている。黒住氏によれば「機種をまたいだデータ転送やバックアップなどの手段がまだ整備されていない状態」であり、今後数カ月以内に「Camera Capture」や「Smart Collections」などの機能が追加される予定だという。ユーザーからのフィードバックを得ながら機能を発展させていく方針だ。

Nothingのスマートフォンを一目で識別できる特徴として、初代Phone (1)から採用されている「Glyphインターフェイス」がある。Phone (3a)でもこの特徴的なデザイン要素は健在だ。

Glyphインターフェイス
背面に円形に張り巡らされたライトでタイマーなどを通知するGlyphインターフェイス(筆者撮影)

例えば画面を下に向けてGlyphインターフェイスに切り替えると、3つのライトがタイマーをカウントダウンしたり、特定の連絡先からの着信を知らせたり、Uberの到着時間をさりげなく表示したりするなど、日常のさまざまな場面で役立つ。これにより通知を確認するために常に画面を見る必要がなくなり、デジタルデトックスにも寄与する設計だ。

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