
2026年春に卒業予定の大学生の就職活動が本格化している。コロナ禍からの経済回復が進み、企業の採用意欲は引き続き高水準だ。ただ、少子化による学生数の減少も影響し、優秀な人材を確保するため各企業の競争は一段と激化。初任給の引き上げを発表する企業も相次いでいる。

そのような状況で学生が興味を持っている会社はどこなのか? 「2万人の学生が投票した『就職人気ランキング』」に続いて、今回は業界別の人気企業ランキングを紹介する。
調査対象者は、就職サイト「ブンナビ!」に登録する2026年春卒業予定の大学生や大学院生。登録者のうち、大学名を問わず約2万人が回答している。調査期間は2024年10月1日から2025年3月15日まで。
業界別の上位企業をランキング
商社では伊藤忠商事が1位。グローバルな事業展開、高い給与水準、多様なキャリアパスへの支持に合わせて、働き方改革なども積極的に推し進める姿勢が学生からの支持を集めている。2位は住友商事、3位三菱商事と続き、4位三井物産、5位丸紅という結果となった。グローバルな事業展開と安定した業績が学生の関心を集めている。
金融業界では、日本生命保険がトップ。2位は大和証券グループ、3位はSMBC日興証券が入った。4位第一生命保険、5位三井住友信託銀行と続き、安定した人気を誇る大手金融機関が上位を占めた。
マスコミは博報堂が1位。2位はソニーミュージックグループ、3位集英社と続いている。広告代理店もトップ10に多くランクインしており、7位は大広、8位は東急エージェンシー、9位はジェイアール東日本企画、10位は電通だった。
食品業界では明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)が1位。2位味の素、3位ロッテ、4位アサヒビール、5位キッコーマンと続いた。
その他の業界でも、各分野を代表する企業が上位を占める結果となった。どの業界も働き方改革やデジタル化の推進など、時代のニーズに合わせた企業姿勢が学生から高く評価されている傾向が見られる。
人材獲得競争が激化する中、企業側は単なる待遇改善だけでなく、働きがいのある職場環境や成長機会の提供など、学生の多様なニーズに応える採用活動が求められている。