慢性的な人手不足を背景に企業の採用活動が活発になっている。新卒採用でも学生有利の「売り手市場」が続きそうだ。そうした中で、就職活動の早期化が止まらない。インターンシップ(就業体験)への参加がその後の選考に実質的に影響するケースもあり、大学3年生の早期から就職活動に動き出す学生が増えている。
文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所が2025年春卒業予定の学生を対象に2023年10月に実施した調査では、インターンシップに「すでに参加した」と回答した割合が83.6%に達した。前年の同時期と比べて6.6ポイント上昇しており、就活の早期化が一層進んでいることがうかがえる。
8695人が選んだ人気企業ランキング
早くから就活に動き出す学生たちは、どのような企業に関心を持っているのか? 文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所が実施する「就職ブランドランキング調査・早期」の結果から明らかになった。同社の就職サイト「ブンナビ!」に登録する、2025年春卒業予定の大学生や大学院生を対象に調査したもので、今回は8695人から回答を得ている。
1位になったのは総合商社の伊藤忠商事だ。昨年実施した2024年早期調査から順位が変わらずトップを維持している。同社は20時以降の残業原則禁止や朝型勤務推進など積極的な働き方改革で知られる。なお、属性別で見ると、伊藤忠商事は男性・女性・文系でトップ、理系でも4位に入った。ほかにも三菱商事が7位、丸紅は8位に位置しており、根強い商社人気が続く。
2位となったのは広告代理店の博報堂/博報堂DYメディアパートナーズで昨年の5位から順位を伸ばした。
金融は例年上位にランクインする傾向にあり、3位に日本生命保険、4位に大和証券グループ、5位に東京海上日動火災保険が入った。
6位はソフトウェア開発やSI(システムインテグレーション)事業を展開するIT企業Sky。積極投入しているテレビCMで知られる。9位にランクインした出版大手のKADOKAWAは、昨年25位から大幅にジャンプアップした。