「メガネの捕手は活躍できない」と言われて闘志に火が付いた――古田敦也さんがメガネで切り開いたプロの道

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古田:わかりやすいところですと、テレビ中継でも表示されるストライクゾーンですかね。ボールかストライクかすぐにわかる。今までだと審判も人ですから判定ミスもあったのですが、それが一瞬で正確に判定できるようになったんです。

また、データも集めやすくなりましたよね。例えば投球に関してもすべてのデータが集められるので、相手が打ったポイント、打っていないポイントだけでなく、ボールの回転数までわかります。

技術進化はピッチャーには不利?

窪田:そこまで分析できるんですね。

古田:例えば、大谷選手がピッチャーとして投球したら、それがストレートで時速何km、何回転だったのか。スライダーだったらサイドに何回転したのか、何cm曲がったのか。そこまで全部データとしてわかります。しかも、それを再現できるマシーンもあるんです。

窪田:え!大谷選手の投球をそのまま再現できるんですか?

古田:そうなんです。今はメジャーリーグのほとんどの球団で、ベンチ裏にそのマシーンがあります。だから、その日のピッチャーに合わせて練習できる。日本でもすでに3球団で導入しているはずです。

窪田:そうなると、マシーンの勝負になっていきそうです。ピッチャーが投げにくくなってしまうような……。

古田:たしかにピッチャーには不利なんですよね。ただ、あまりに不利になったらルールが変わると思います。ストライクゾーンが広がるとか。プロ野球は興行なので、やはりある程度、打ち合って、点が入ったほうが面白いですからね。

窪田:AIを活用しながら、さらに野球が盛り上がっていきそうです。次回は、古田さんが長年力を入れて取り組んでいる、野球を通した子どもたちの育成について話をお聞きしたいと思います。

(構成:安藤梢)

古田敦也 元プロ野球選手、スポーツコメンテーター

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ふるた あつや / Atsuya Furuta

1965年兵庫県生まれ。立命館大学卒業後、トヨタ自動車入社。ソウルオリンピック日本代表として出場、銀メダルを獲得。1990年ヤクルトスワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)へドラフト2位で入団。捕手として強肩と頭脳を活かした野球で攻守ともにチームを牽引、5度のリーグ優勝と4度の日本一へと導く。日本プロ野球選手会第5代会長。 

2006年にはプロ野球史上29年ぶりとなる選手兼任監督に就任。2007年引退後はスポーツコメンテーターや講演活動でも活躍中。2015年野球殿堂入り、2022年より日本プロ野球名球会理事長。

 

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窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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