「メガネの捕手は活躍できない」と言われて闘志に火が付いた――古田敦也さんがメガネで切り開いたプロの道

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窪田:メガネのハンデを乗り越えたんですね。

古田:プロに入ってからもずっとメガネをかけていたので、僕にとってはトレードマークです。でも、正直に言うと、やっぱり目は良いほうがいいと思います。それでも、たとえメガネをかけていたとしても、プロ野球選手になることはできる。それを証明できたのかなと思います。

「メガネでもプロになれる」ことを証明できた

窪田:メガネをかけたプロ野球選手といえば、真っ先に古田さんが浮かびますが、現役のプロ野球選手でもメガネをかけている人はいますか?

古田:あんまりいないですね。数名いるかどうか。ただ、メガネはかけていませんが、コンタクトやレーシック、ICLなどで近視を矯正している人はかなりの数いると思います。

窪田:最近は近視ではない人を探すほうが難しいくらいですからね。やはりプロ野球界も同じ状況なんですね。

近視は病気です
(『近視は病気です』より)

古田:メガネをかけている選手は本当に少ないのですが、実は僕がプロに入る前、メジャーリーグで活躍していた選手がいるんです。ダレル・ポーターという捕手で、ワールドシリーズMVPまで獲った人物。メジャーリーグでもメガネの選手はめったにいないのですが、そのニュースをたまたま見たときに「アメリカにもメガネの選手がいるじゃないか!」とすごく勇気づけられて……。

同じように、僕がプロで活躍している姿を見て、メガネをかけた後輩たちが「古田さんがいたので自分もプロを目指してやってこられました」と言ってくれますからね。そう考えると、メガネで野球をやってきたことで、誰かの背中を押せたのかなと。

窪田:たくさんの人たちに希望と勇気を与えていますよね。

古田:そうだといいなと。少なくとも、目が悪いことで野球を諦める必要はない。そのことを伝えられたんじゃないかと思います。

目に関連した話だと、僕は視力と連動している「動体視力」は悪いのですが、以前、ある研究所で野球選手を集めて「瞬間視」の測定したところ、ずば抜けて良かったんです。

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