春の疲労・だるさの正体「自律神経の乱れ」対策5つ 問題は「急性ストレスの慢性化」防ぐ方法とは?
こうしたケアをしても、④の状態から抜け出せない場合は、医療機関で診てもらったほうがいいとのこと。また、すでに病院にかかっている人は、運動や日々の過ごし方について、かかりつけ医に相談したうえで実践したほうがいいそうだ。
ところで、自分が①から④のどの状態にいるのか。それを「見える化」する方法もある。
自律神経の状態を調べる手法は複数あり、倉恒氏が患者に勧めているのは「心拍変動解析」というもの。心拍計のデータを活用し、心拍間隔の周波数を分析する。保険がきかないため自費になるが、調べてくれる医療機関もある。
また最近では、手軽に計測できるスマホアプリも登場している。
ただ、倉恒氏によると、こうした機器を使わなくても、心拍数の変化を見れば、自律神経バランスの状態がある程度はわかるという。
例えば、②の急性ストレスと③の慢性ストレスでは、心拍数が上がっていることが多い。個人差はあるが、自宅で安静にしているときでも100を超えている場合は要注意だ。
自律神経と「睡眠の質」の関係
倉恒氏は、慢性疲労の病因・病態の解明や診断指針を作成する厚労省の研究班の代表を長年、務めてきた。現在も、大阪公立大学医学部附属病院生活習慣病・糖尿病センターの慢性疲労外来で、診療を続けている。
その両者の経験から、「睡眠」の重要性を感じているという。

自律神経活動と、睡眠効率(中途覚醒がどの程度あったかなどの指標)の間には、正の相関関係が確認されている。倉恒氏は、「副交感神経活動が活発になっていると、睡眠は良質になる」と指摘する。
自律神経を正常に保つためには、良質な睡眠でいかにリラックスできるかが重要だ。
寝る前にはスマホを使わないようにして、照明を落として交感神経を刺激しないようにする。朝は、先に挙げたとおり朝日を浴び、朝食を摂ることで交感神経の活動が活発になり始める。
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