しかし100円という価格もレーンを回ることも、いつしか「当たり前」となった。
加えてコロナ禍以降は、“ナカショク”需要の高まりを受けて惣菜のレベルが上がり、Uberなど宅配サービスも充実。回転寿司に「わざわざ足を運んでもらう」動機が一層必要となり、「楽しい仕掛けや演出」を、これまで以上に考えるようになったそうだ。
そうして、「回転寿司なのに、こんなクオリティの高いものが食べられるんだ」と驚かれるほど本格的なラーメンの開発など、ゲストの期待を裏切るサービスを模索していくなかで、「プレゼントシステム」が生まれたという。
目標としたのは、メインのゲストである家族連れ、なかでも子どもが喜ぶ演出だ。あわよくば、20代、30代の好奇心も煽って、SNSでの投稿も促進したい――。そうやって、驚き、ワクワクを追求した結果が「プレゼントシステム」だったのだ。

システムの登場が2024年11月になったのは、2023年に同業他社チェーンで起きた迷惑行為も関係している。これを受けて大手は軒並み、レーンに寿司を流すのをやめてしまったのだ。
しかしくら寿司は、レーン上にAIカメラを取り付けて安全性を確保し、寿司を流し続けた。そして、「ライバルが減った今こそ回転ベルトを使って、エンタメ性のあるサービスができないか」と考えたのだ。

あえて「アナログ」のこだわり
こうして生まれた「プレゼントシステム」だが、音楽も演出も、ちょっと“昭和”味がある気がする。
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