くら寿司「1000円ホールケーキ」一体なにが凄いか 大反響「プレゼントシステム」の知られざる秘話
成長のカギは、エンタメ性とビジネスのバランス
くら寿司の、「ITを駆使しつつもアナログを大切にする姿勢」は、接客にも表れている。今飲食業界では、コロナ禍でソーシャルディスタンスを求められたことをきっかけに、接客の機械化、省人化が一気に進んでいる。
同社でも、レジ、皿を数えるなどの「作業」は機械化し、人の手による業務としては、テーブルを片付けるサービスだけに集約している。しかし、「作業」が減った分単純に人員を削減することはなく、可能な限り残しているそうだ。
その分、ゲストの応対、接客を手厚くしている。ゲストに呼ばれたときに、「すいませんレジ終わってから行きますね」などと断らずにスムーズに行ける、後回しにしないサービスを目指しているという。
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一部には、昨今の人件費の高騰を受け、泣く泣く人員を減らす店舗もあるが、片付けが増えたときには厨房スタッフも出て手伝うなど、「人件費を下げても、接客の質と商品力を落とさない」体制を作っているそうだ。
ベルトに寿司を流し続けることについても、手間もコストも必要だが、「それこそが回転寿司の楽しみであり真髄です。可能な限り続けていきます」と辻さんは力を込める。
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この姿勢の延長に「プレゼントシステム」のようなサービスがあるのだろう。
とはいえ、手間やコストがかかりすぎると、ゲストを楽しませる前に、ビジネスとして成立しない。そのバランスの見極めの妙が、くら寿司の成長を支えているのかもしれない。
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