くら寿司「1000円ホールケーキ」一体なにが凄いか 大反響「プレゼントシステム」の知られざる秘話

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成長のカギは、エンタメ性とビジネスのバランス

くら寿司の、「ITを駆使しつつもアナログを大切にする姿勢」は、接客にも表れている。今飲食業界では、コロナ禍でソーシャルディスタンスを求められたことをきっかけに、接客の機械化、省人化が一気に進んでいる。

同社でも、レジ、皿を数えるなどの「作業」は機械化し、人の手による業務としては、テーブルを片付けるサービスだけに集約している。しかし、「作業」が減った分単純に人員を削減することはなく、可能な限り残しているそうだ。

その分、ゲストの応対、接客を手厚くしている。ゲストに呼ばれたときに、「すいませんレジ終わってから行きますね」などと断らずにスムーズに行ける、後回しにしないサービスを目指しているという。

くら寿司 ビッくらポン
5枚皿を流すとゲームがはじまる「ビッくらポン」は、楽しみと同時に、ゲストが「あと1枚」と皿を取る動機にもなっている(写真提供:くら寿司)

一部には、昨今の人件費の高騰を受け、泣く泣く人員を減らす店舗もあるが、片付けが増えたときには厨房スタッフも出て手伝うなど、「人件費を下げても、接客の質と商品力を落とさない」体制を作っているそうだ。

ベルトに寿司を流し続けることについても、手間もコストも必要だが、「それこそが回転寿司の楽しみであり真髄です。可能な限り続けていきます」と辻さんは力を込める。

くら寿司 ビッくらポン
「ビッくらポン」の中身は定期的に変わり、子どもを飽きさせない(写真提供:くら寿司)

この姿勢の延長に「プレゼントシステム」のようなサービスがあるのだろう。

とはいえ、手間やコストがかかりすぎると、ゲストを楽しませる前に、ビジネスとして成立しない。そのバランスの見極めの妙が、くら寿司の成長を支えているのかもしれない。

【もっと読む】くら寿司「1000円ホールケーキ」大反響も納得の訳 サイズ感、カバー、提供スピード…すべてに工夫が! では、「プレゼントシステム」製造の裏側と、このシステムが示す回転寿司ビジネスの変化、くら寿司が描く「世界戦略」について、ライターの笹間聖子さんが取材、詳しくお伝えしてる。
笹間 聖子 フリーライター・編集者

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ささま・せいこ / Seiko Sasama

フリーライター、時々編集者。おもなジャンルはホテルビジネス、幼児教育、企業ストーリー。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界専門誌で16年間執筆を続けており、ホテルと経営者の取材経験多数。「週刊ホテルレストラン」「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」「FQ Kids」などで執筆。企業のnote発信サポーター、ブックライターとしても活動。大阪在住。

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