くら寿司「1000円ホールケーキ」一体なにが凄いか 大反響「プレゼントシステム」の知られざる秘話

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チープな電子音に、パカッと開くケース。汽車は既製品のフィギュアで、そこにLEDライトケーブルが巻きつけられている。手作り感が満載だ。

くら寿司 プレゼントシステム
フィギュアも仕掛けも、ちょっと懐かしいテイストだ(写真提供:くら寿司)

くら寿司にIT技術がないわけではない。むしろその逆で、業界トップクラスにデジタル化が進んでいる。前述の通り、大手で唯一寿司をレーンに流し続けられているのも、レーンをAIカメラで撮影しているからだ。

スマートにしようと思えば全然できるけど…

しかも、このAIカメラと皿回収ポケットで、ゲストが食べた皿数をダブルチェック。タッチパネルから注文した寿司とレーンからとった寿司、両方の数を正確に把握できている。これにより、人の手がまったく介在しない「無人会計」が可能となっているのだ。

入店時は無人受付機が対応しており、寿司をレーンに流す量も、ICTでコントロールしている。

くら寿司 回収ポケット
回収ポケットに皿を入れると自動で水洗いが行われ、汚れをとりやすくする工夫も(写真提供:くら寿司)

それらの技術をもってすれば、「プレゼントシステム」は音楽も演出も、もっとスマート化できる。スピード感も、注文した皿を運ぶときに使われる「専用レーン」であれば、もっと素早く運ぶことが可能だ。だが、そうはしない。

「通常レーンでもたもたと近づいてきて、『遠くから何かがきたぞ』みたいな演出をしたほうが、回転寿司ならではの楽しさがあるのではないでしょうか。“気を持たせるワクワク感”みたいな部分を、日本人は好むと考えています」

くら寿司
上が「専用レーン」。注文した皿が通常の約10倍の速さで到着する(写真提供:くら寿司)
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