「インフラ更新が心配」な街ランキング・関西編 将来の更新費用が膨らむ自治体は全体の96%

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② 兵庫県養父市(増減率:310.3%)

兵庫県の北部、但馬地方に位置する養父市。同県内の市の中では人口は2.2万人と最も少なく、高齢化率は最も高い。「国家戦略特別区域」に指定され、中山間地農業の改革拠点となっていることでも知られる。

同市の管理計画(2023年11月改訂)を見てみると、過去5年度分のインフラの更新費用は年平均20.1億円。対して、40年分の推計額は同55.4億円に増加するとされる。

同市の人口増減率(2022年の人口と2040年の推計値を比較)は▲32.8%と、兵庫県内の市では2番目に高い。その人口減少分も反映した結果、更新費用の増減率は310.3%と、現在の4倍を超える数字となった。

増減率がマイナスでも数字に注意

今回該当が少なかった、増減率がマイナスとなった自治体の管理計画も見てみよう。

③ 兵庫県芦屋市(増減率:▲3.7%)

神戸市の東隣に位置し、日本有数の高級住宅街としても知られる芦屋市。2023年には26歳(当時)の若い市長が誕生したことも話題となった。

同市の管理計画(2022年3月改訂)によると、直近のインフラの投資的経費(5年度分の実績の平均額)は75.9億円。それに対して今後45年間のインフラの維持管理・更新にかかる費用の見込みは3042.4億円(年平均67.6億円)で、増減率は▲3.7%となった。

一方で、同計画では今後の負担可能な投資的経費を年間43.4億円と見込んでいる。つまり、現実には将来発生しうるインフラの更新費用を負担しきれない可能性があることを示唆している。市民税収が高い芦屋市でも安閑としてはいられない、ということだ。

④ 大阪府茨木市(増減率:▲16.1%)

大阪府の北部に位置する茨木市。人口は28.5万人と同府内では8番目に多い。公共交通網も充実していることから、大阪市のベッドタウンとして長く発展してきた。

同市の管理計画(2022年3月改訂)によると、直近5年度分の投資的経費の実績は88.2億円。対して、今後40年間の維持管理・更新にかかる費用の見込みは年平均72.3億円と、減少する見通しだ。

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