「インフラ更新が心配」な街ランキング・関西編 将来の更新費用が膨らむ自治体は全体の96%
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公共施設、道路、橋梁、上下水道など、私たちの生活を支えるインフラ。その多くが人口増加期の昭和40~50年代に整備が進められたものだ。
耐用年数を超えるインフラの割合は年々高まっており、インフラの老朽化に起因する事故もたびたび起きている。1月28日に埼玉県八潮市内の県道で発生した道路陥没事故は、「朽ちるインフラ」の恐怖を改めて私たちに知らしめた。
老朽化するインフラに対する維持・管理や更新について、自分の住んでいる自治体ではどう対応しているのだろうか。それを知る手がかりが、各自治体が策定する「公共施設等総合管理計画」だ。各自治体のホームページでも公開されている。
インフラ更新が心配な街の比率は南関東より高い
この管理計画を基に、前回記事では南関東(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の145市区を対象に、インフラの更新費用の増減率を独自試算。「更新費用が急増する自治体ランキング」として公表した。
その南関東編に続き、今回は関西(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)の自治体(111市)を対象にこの増減率を算出し、最新のランキングを作成した。対象となるインフラは次の4区分だ。
・ インフラ:道路、橋梁、公園などの公共インフラ
・ 上水施設:上水処理施設
・ 下水施設:下水(汚水・雨水)処理施設
比較可能な99市中、増減率が0%以下、つまり将来の更新費用が現在の更新費用を上回らない自治体は4市(4.0%)にとどまった。96%以上の市が、将来の更新費用を負担しきれない可能性がある、ということだ。前回(南関東編)は増減率0%以下の自治体の割合が16.7%だったので、将来のインフラ更新が心配な自治体の比率は南関東よりも高いことになる。
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