横浜なのに「かなり地味」"元闇市"がある街の実態 日本初の洋式競馬場もある「根岸」に広がる光景

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ひとりで店を切り盛りする店主の金城博之さん(70)の話。 

「私は沖縄出身で、イラストレーターを志して上京したんだけど、早々に才能の限界を感じましてね(笑)。料理は好きだし、得意だったから、そっちの勉強を始めて、ずっと六本木の店で包丁を握っていたんですよ。

60歳を過ぎたころに、自分の好きにやれる店をオープンしたくなって、いろいろ探してたんだけど、なかなかいい物件が見つからなかった。 

そんなときに、たまたまここを見つけまして、“面白そうだな”とピンときた。そういうわけで8年前にここに店を出したんです。今年で9年目ですね。誰もが気取らないで入りやすいような洋食をやることにした。

もちろん近所のお客さんが多いけど、東京から毎週通ってくれる人もいますね。そうした常連さんに支えられています」 

この日いただいたのは、「黒毛和牛ハンバーグ(1600円・税込)」だ。 

黒毛和牛ハンバーグ
黒毛和牛ハンバーグ ライス付き(筆者撮影) 

「外食産業は原価率を30%以下に抑えないとダメ、なんて言うけど、うちは50%くらいだと思う。儲けは少ないけど、そのぶん良い物を出してるという自信はありますよ。ひとりでやっているから、こうした商売ができるんですよね」(金城さん) 

そう語るだけあって、主菜のハンバーグはもちろん、キャロットラペなどの副菜もたっぷり。高級レストランの雰囲気をお手頃価格で楽しめる洋食デッサンは、浜マーケットの新たな魅力と言えるだろう。 

小学校はお寺の寺子屋が起源 

ここまで、浜マーケットを中心に根岸、磯子地区の歴史を紹介してきたが、地元住民の生活にまつわる歴史はさらに深い。 

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事