ひとりで店を切り盛りする店主の金城博之さん(70)の話。
「私は沖縄出身で、イラストレーターを志して上京したんだけど、早々に才能の限界を感じましてね(笑)。料理は好きだし、得意だったから、そっちの勉強を始めて、ずっと六本木の店で包丁を握っていたんですよ。
60歳を過ぎたころに、自分の好きにやれる店をオープンしたくなって、いろいろ探してたんだけど、なかなかいい物件が見つからなかった。
そんなときに、たまたまここを見つけまして、“面白そうだな”とピンときた。そういうわけで8年前にここに店を出したんです。今年で9年目ですね。誰もが気取らないで入りやすいような洋食をやることにした。
もちろん近所のお客さんが多いけど、東京から毎週通ってくれる人もいますね。そうした常連さんに支えられています」
この日いただいたのは、「黒毛和牛ハンバーグ(1600円・税込)」だ。
![黒毛和牛ハンバーグ](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/c/5/570/img_c5dce164ad3bfca96f6f8ab4cd2f4ec8167774.jpg)
「外食産業は原価率を30%以下に抑えないとダメ、なんて言うけど、うちは50%くらいだと思う。儲けは少ないけど、そのぶん良い物を出してるという自信はありますよ。ひとりでやっているから、こうした商売ができるんですよね」(金城さん)
そう語るだけあって、主菜のハンバーグはもちろん、キャロットラペなどの副菜もたっぷり。高級レストランの雰囲気をお手頃価格で楽しめる洋食デッサンは、浜マーケットの新たな魅力と言えるだろう。
小学校はお寺の寺子屋が起源
ここまで、浜マーケットを中心に根岸、磯子地区の歴史を紹介してきたが、地元住民の生活にまつわる歴史はさらに深い。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら