その頃にここで履物屋を始めたんです。私は小学校の低学年くらいだった。16号線の向こうはまだ海でね、学校から帰ったら海パンのまま家を飛び出して海まで走って行ったもんですよ」(中里さん)

古地図と現代の地図。左が古地図で右が現代地図。各々の中央付近に示した赤い十字印が浜マーケット付近(農研機構農業環境研究部門)
これは、「国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構」の農業環境研究部門が制作した古地図と現代地図の比較図だ。見ると分かるが、浜マーケットはまさに浜に面していたわけである。埋立地と元からある陸地の境目には、現在は国道16号線が走っている。
埋立地は現在、石油精製や造船、機械工場などが進出し、京浜工業地帯の一翼を担う地区として知られている。
沖縄出身の男性が根岸で洋食屋を開いた理由
昭和のテイストをたっぷり残す浜マーケットは、古いことばかりが取り柄ではない。新しい魅力も生み出している。
そのひとつが、「洋食 デッサン(横浜市磯子区久木町20‐4 浜マーケット内)」だ。カウンターのみ6席の店だが、地元の人だけでなく、噂を聞きつけた県外からの客も多い。

浜マーケット内にある、「洋食デッサン」(筆者撮影)

洋食デッサン店主の金城博之さん(筆者撮影)
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