横浜なのに「かなり地味」"元闇市"がある街の実態 日本初の洋式競馬場もある「根岸」に広がる光景

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JR根岸駅は京浜東北線で横浜から5つ目の駅だ。1日の平均乗車数は2万人ほどである。

今回歩いた場所(国土地理院 電子国土Webから筆者作成) 

ちなみに横浜駅の1日平均乗車数は全線合わせて約200万人。そんな巨大な街にも、根岸からは電車に12分ほど揺られれば行き着くことができる。また、新幹線への乗り換え駅である新横浜へは25分ほどだ。交通の便はすこぶるいい。 

根岸駅は横浜市の磯子区に位置する。駅を出て東に少し歩けば根岸町の一丁目から三丁目となる。西に歩けば磯子が広がる。今回は、この界隈を散策した。

筆者のようなよそ者からすると、根岸駅の周りは根岸と思いがちだが、古くから住む人たちは、ここら一帯を「イソゴ」と呼ぶらしい。 

明治22年(1889年)の市政施行まで、磯子区は久良岐郡の根岸村、屏風浦村、日下村の3つの村からなる、風光明媚な漁村だった。

現在の根岸駅や磯子駅の周りに、漁村の面影を探すのは難しいが、昭和34年(1959年)に根岸湾の埋め立てが始まるまでは、地名にあるように「磯」や「岸」の見える風景だったようだ。 

終戦後にできた元闇市「浜マーケット」 

根岸駅界隈の歴史を語るうえで、まず紹介しておきたいのが「浜マーケット(神奈川県横浜市磯子区久木町20‐5)」だ。

戦後すぐから自然発生的に生まれたこのマーケットは、その名称が示す通り、浜辺が見えるマーケットだったが、今では眼の前を国道16号線が走り、海岸までは500mほども離れている。 

浜マーケットの入り口(筆者撮影)
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