不登校の娘が高校受験。その時、自分が乳がんに… 失敗の不安を抱えながら病床から愛のムチを放つ

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写真はイメージです(写真:Fast&Slow/PIXTA)
小中高生の不登校の子どもの数は40万人を超えるといわれています。自身もわが子の5年(中学1年の3学期から高校まで)に及ぶ不登校に向き合ったランさんは、その後、不登校コンサルタントに転身。子どもの不登校に悩む親と接すると、相談の入り口は子どもや学校に関することであっても、その背景には、さまざまな悩みや人間模様がありました。
本連載では、ランさんが、子どもの不登校を経験した親に話を聞き、問題の本質、そして相談者自身が見つめ直すことになった人生に迫ります。
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友達とのトラブルをきっかけに不登校に

親は子どもの不登校に寄り添うだけで心身をすり減らすもの。まして自分の身体に不調が現れたら。圭子さん(仮名、52歳)は、不登校だった娘さんが高校受験を迎えるタイミングで乳がんが見つかりました。治療と受験と不登校。今回は3つの困難を乗り越えたお母さんの事例を紹介します。

圭子さんの下の娘さんが不登校になったのは小学5年生の頃でした。

「きっかけは友達とのトラブルだったようです。女の子にありがちなんですが、仲良し2人組の友達関係に後から入ってきた3人目の子が引っ掻き回すという感じで。娘はそのことを担任の先生に相談したのですが、『気のせいだよ』と片づけられたことで不信感を持ち、夏休み明けから不登校になりました」

「当時の娘はイライラすると癇癪を起こして物を投げるんです。そうなると手がつけられません。主人の服を引っ張って破ったこともあります。抱きしめたら落ち着くかなと思ったんですが、私の腕を振り払って叩いてくるのであざができたこともあります。叱ったほうがいいのか、受け入れたほうがいいのか。どうしたらいいのかわかりませんでした」

不登校
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