「受験不合格」に直面した親が知るべき"意味" 専門家に聞く「公立中学に進学するメリット」

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③ 学習塾など学校外の学びを活用しやすい

私立中学に進むと、学費がかかるため、追加の学習支援にかける余裕がないこともあります。公立中学に進むことで浮いた教育費で、学習塾やオンライン教材など、柔軟に学びの選択肢を増やすことが可能です。その結果、学び場の多様化によって子どもの心に火が付く確率は上がります。さらに新しい人間関係が生まれたり、多感な子どもの居場所づくりにも貢献できたりすることもあります。

*近年、自治体によっては高校無償化で私学も学費無料になるケースがありますが、全国的にはまだ一般的ではありません。

④ 高校受験という新たな挑戦によって成長する

私立の中高一貫校に進学すると、高校受験をない分、ゆとりをもった中学生活を送ることができる一方で、中だるみしやすいこともあります。公立中学の場合、基本的に多くの中学生が高校受験をするため、中2後半から中3にかけてクラスの雰囲気が変わっていきます。全体として新たな挑戦が始まる雰囲気になるからです。普段あまり勉強しない子もその刺激を受け、受験が近づくにしたがって成長していきます。試練の数があればあるほど人は成長すると言います。学力も同じで大きな入試があるから勉強をするのであって、もしなければそれほど勉強しないかもしれません。

今、親としてできること

今回の経験を通じて、お子さんは「努力したけれど結果が出ない」という現実を知ったかもしれません。しかし、それはあくまでも短期的な結果が出なかったということにすぎません。これまでの努力がどのように実を結んでいくかは、子どものこれからの人生の中で感じていくものです。しかし、親までも「努力したけれど結果が出ない」と感じることは適切であると思えません。

親としては、これまでの努力は決して無駄ではなく、「成果が出るタイミングが延期されただけ」と捉えることが大切です。

そして、過去の結果を引きずるのではなく、「この先の子どもの未来を楽しみにする」姿勢を持つことが、子どもにとって最大の励みとなります。

人生は中学受験で終わりません。もちろん、高校受験や大学受験でも終わりません。すべては単なる途中経過地点です。学びのゴールはまだまだ先です。ただそこへ進むためのルート(景色)が多少違うだけです。

人の努力の価値は、日々の積み重ねによって徐々に増していきます。そして、その成果が目に見える時は、もっと先に確実にやってくると考えています。どうか、お子さんの未来を信じて、前を向いて歩んでみてください。

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石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

講演、執筆相談はこちらから。

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