「受験商売」多くの親が洗脳される怖いカラクリ 東京だけでなく地方でも問題は多発している
犠牲になるのは洗脳された親ではなく、その子ども
――マンガの中には、中学受験をきっかけに、事件を起こしてしまった母親の話がありました。母親はある種、洗脳されたような状態になっていました。
塾はビジネスですから、あの手この手で売り上げを上げる必要があります。たとえば「このコースを受けなければ合格は保証できない」「講習をどれだけ取るかで決定的な差がつく」「この夏が人生を決める」といった文句もそうですよね。
ただ、営業における洗脳的な手法は、どんなビジネスでもあると思うんです。例えば、これを買わなきゃダメだとか、これが最高なんだというような営業トークだってある種の洗脳で、そういう思い込みをさせることによって商品を買わせている。塾ビジネスにおいて似たようなことが行われるのは、商売のうえでは自然なのかもしれません。
ただ、中学受験の場合は、その犠牲になるのは洗脳された親じゃなくて、その子どもというところに問題があります。親が洗脳された結果、一番苦しむのは子どもというのがよくない。
東京には中学受験をする子が学年の6割、7割いるという地域もありますが、そういう地域でない限り、子どもが自分から「中学受験がしたい」と手を挙げるのは稀じゃないですか? 全体の1割か2割のたまたま頭のいい子たちが「僕、頭がいいからやってみたい」となるケースはあるでしょうが、その場合は本人がやりたくて行くのでいいのです。けど、そのほかの子は親がある種やらせているとしか考えられない部分がありますよね。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら