「受験不合格」に直面した親が知るべき"意味" 専門家に聞く「公立中学に進学するメリット」

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勉強に悩む男の子 
努力が報われなかったとき、親としてどのように気持ちを整理し、前向きに進めばよいのかをお伝えします(写真:kapinon/PIXTA)
【相談】

息子が中学受験に挑戦しましたが、すべて不合格となり、公立中学に進学することになりました。本人は落ち込んでいますが、子ども以上に私自身が諦めきれず、どうしても納得できません。努力したのに報われなかったことが悔しく、今後の進路をどうすべきか考え続けています。子どもにどう接するべきか、また再チャレンジの可能性はあるのか、公立中学での学習環境は大丈夫なのか、不安でいっぱいです。どう気持ちを整理し、前向きに進めばよいでしょうか?
(仮名:木村さん)

受験を終えたお子さん、そして親御さん、本当にお疲れさまでした。中学受験は第1志望校に合格する割合は30%程度と言われ、圧倒的多数は第1志望以外の学校に進学をしているものの、「努力したのに報われなかったことが悔しい」というお気持ち、とてもよくわかります。しかし、「努力が報われる」とは、果たして短期的な目標である「合格」という結果だけを指すのでしょうか?

受験は合格するためにするものですが、実はそれ以上に大切なことが隠れています。筆者が36年間の教育現場で数々の受験結果を見てきた経験から、親として今後どのように気持ちを整理し、前向きに進めばよいのかをお伝えします。

受験結果は「その子にふさわしい学校」を示している

長年、教育の現場に携わってきた中で、筆者は一つの確信を得ています。それは、「受験結果は、その子にとって最もふさわしい学校へ導くもの」ということです。

合格したならば、その学校がその子にとって最適な場所。不合格だったならば、「その子が行くべき学校はその学校ではなかった」ということです。これは単なる妄想的な思い込みではなく、実際にそう感じざるを得ないケースを見てきたのです。

もちろん、不合格になった直後は「努力が無駄になった」と感じ、悔しい思いに苛まれるでしょう。しかし、時間が経つにつれ、「この道が自分にとって最善だったのかもしれない」と思う瞬間が多くの子どもたちに訪れるケースが少なくないのです。

なぜなら、学校選びとは単なる偏差値だけで判断するものではなく、「その子に合った環境かどうか」の方がはるかに重要だからです。無理してギリギリの学力で入学し、勉強についていけず苦しんでしまう子も見てきました。それよりも1つレベルを落とした学校や公立学校に進学し、自分のペースで学びながら自信をつけ、その後ぐんぐん伸びる子たちの例は枚挙に暇がありません。

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