では、親としてこの経験をどう捉え、どのように子どもと向き合えばよいのでしょうか?
最も大切なのは、「親の役目は、子どもの人生を失敗のない成功で埋め尽くすことではない」ということです。
むしろ、今回の経験を通じて、目標に向かって努力することの大切さや、思い通りにいかないからこそ得られる学びを、親子で共有することこそが、かけがえのない財産となります。
受験に失敗したことで、「自分はダメなんだ」と思ってしまうお子さんもいることでしょう。そんなとき、親が「あなたは本当によく頑張った」「頑張ってきた、あなたを誇りに思う」「この経験は必ず次につながっているので、まずは一旦やりたいことに時間を使ってゆったりしよう」と伝えることで、子どもとの絆がより強固になっていきます。
単なる慰めとも異なる、このような心から感じている言葉を子どもにかけることで、信頼関係が深まるのです。なぜ、これが大切かと言いますと、中学受験でチャレンジは終わりません。今後、いくつも子どもはチャレンジをしていきます。そのとき大切なことは、親子の信頼関係なのです。これがしっかりとしていると、子どもは安心して挑戦ができます。
公立中学でも、十分に学び、成長できる
木村さんは公立中学への進学を前向きに捉えられず、不安を感じているようですが、公立学校が決して悪いというものではありません。むしろ、公立学校だからこそ得られることもあります。大切なことは、環境そのものよりも、その環境の中でどう過ごすかが大切です。
公立中学に進学するメリットはたくさんありますが、代表的なものとして次のような点が挙げられます。
公立中学ではさまざまな背景を持つ生徒と出会えます。ある意味、社会の縮図とも言え、この経験は、社会に出たときに大きな財産となります。
*私学は多様な人間関係を築けないという意味ではありません。
中学受験の勉強をしたお子さんは、それまで得てきた知識やスキルを活用し、公立中学では学力的に有利なポジションからスタートを切ることが可能です。そのアドバンテージを活かせば、高校受験に向けた準備を、余裕を持って進めることができます。
*第1志望の学校に合格できず、第2志望、第3志望校に進学した場合も有利なポジションからスタートを切ることが可能です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら