こうして早稲田合格が少しずつ見えてきましたが、11月ごろにまた受験生活で一波乱が起きます。それは、第1志望を京都大学に変更するという決断でした。
「Spoonという配信アプリで京都大学の学生と仲良くなりました。そこで、京大の授業を見てみたいとお願いしたら、教授に頼んでくれて、特別にオブザーバーとして参加させてもらえたんです。
そこで受けたジャック・ラカンの精神分析学の授業に衝撃を受けて、京大に入ってこのような授業を受けたいと思いました。11月に京大を第1志望に急遽変更し、理科、数学と倫理・政経の勉強を始めました」
こうして初めて受けた2022年1月の共通テストの結果は74%と健闘します。全体的に理系科目は半分くらいしかできなかったものの、新たに選んだ倫理・政経で9割、苦手だった国語で200点中160点、英語では200点中180点を獲得しました。
「英語は森田鉄也先生監修の『1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』がとてもよかったです。この本のおかげで、ものすごく英語の成績が上がりましたね」
しかし、正確に文章を読解できる能力が求められている京大の2次試験では歯が立ちませんでした。数学の配点が低い京都大学文学部を選んで出願したものの、結果は合格最低点から100点以上差がついての不合格でした。
琉球大学に進学し、仮面浪人
この結果を受けて、彼は2浪を決断せず、後期で出願した琉球大学国際地域創造学部に入ることに決めます。
「受験に疲れたので、最果ての都道府県に行ってゆっくりしたいと思いました。北海道大学か琉球大学に行きたいと思ったところ、北大が河合塾の共通テストリサーチでC判定だったのですが、琉球大はA判定だったのでやった!と思いました」
京大の合格発表の次の日に飛行機で沖縄に飛んだものの、所持金が1200円しかなかった彼は、ゲストハウスに泊まったあと、1時間半歩いたり、ヒッチハイクをしたりしながら受験会場までたどりついて試験を受けました。そして試験終了後には往復航空券を片手に、会場から空港までヒッチハイクで向かいました。
こうして合格した琉球大学は、最初は楽しかったものの、5月ごろになると京都大学に行きたい気持ちが再燃し、また浪人を始めます。
この1年のけいちゃんさんは、今まで培った人脈と、琉球大学での出会いをうまく生かした受験勉強を送りました。
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