ところが、高校に入学後、しばらくしてから彼は不登校になってしまいました。
「第1志望に入れなかったというのが尾を引いてしまいました。もともと高校に行く気力が湧かなかったところに、仲がよかった女の子に告白して振られてしまったのです。それがショックで、高校2年生からまったく学校に行かなくなってしまいました。結局、高校2年生の最後に退学届を出して、学校を辞めることになりました」
17歳でいきなり世間の荒波の中にひとり放り出されることになった彼は、家にずっとこもる感じではなく、「アクティブな引きこもり」として日々をすごしました。
「引きこもり」をしながら18歳で受験
「実は高校を退学する前から、1日1回は家から出るようにしていました。学校の近くの公園で昼寝をしたり、IKEAのフードコートで100円ドリンクを頼んで過ごしたり、ドン・キホーテで美味しい焼き芋を探したりしていました。
それ以外に、公民館で開催されていたワークショップに参加することもあったのですが、高校を退学して18歳になって間もないころに、そこで知り合った方に『うちのシェアハウスに来る?』と誘われたので、そこで1人暮らしを始めることにしました」
また、ワークショップでは、20歳年上の38歳の彼女ができました。彼女とは、18歳の1年間で別れたり復縁したりを繰り返していたそうです。
将来のことについてはあまり考えていなかったけいちゃんさんですが、周囲が大学受験をする年齢になっていることもあり、夏ごろに高等学校卒業程度認定試験を受けて合格します。
その後、シェアハウスに住んでいた明治大学出身の人に「うちを受けたら?」と言われてなんとなく明治大学政治経済学部に出願しましたが、寝坊して受けられずに現役の受験を終えました。
「受験勉強はまったくしていませんでした。入試方法も、受験勉強の方法も何もわからなかったのですが、何も勉強せずとも受かるという変な自信があったんです。だから、何もわからないまま、自動的に浪人が確定してしまったんです」
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