「立喰鮨かきだ」が渋谷駅前に出店する"賭け" 修業ゼロで寿司握り人気店を実現した蛎田社長

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「2022年に有楽町かきだを始めた当初は、趣味でやっていたようなもの。だから利益がなくても安く提供できた。しかしそれでは市場価格を破壊してしまうと気づいた。職人も含めて業界全体が潤うには、品質の良いものを適正な価格で提供しなければならない」

下積みがあるから「喜び」がある

職人の長時間労働、女性がなかなか活躍できないことなどにも課題を感じている。ただ、自身の店ではモチベーション維持のため、未経験でもできるだけ早く寿司を握らせるようにしているが、「下積み」には重要な意味があるという。

「下積みがあるから、やっとお客様に寿司を提供できるようになったときの喜びがある。お客様に対してありがたいと感じるようになる。自分が一生懸命下ごしらえをしてきたから、食材も大切に扱うようになる」

立喰鮨 かきだ おまかせ10貫
写真はメニュー改定前に提供されていたもの(撮影:今井康一)

3月上旬の汐留店、年内に京都四条河原町などの出店が決まっているほか、同じく年内、ニューヨークに300平米と大規模の店をオープンする予定だ。ニューヨーク店については、高級店とカジュアル店の併設を構想。現地のオーナーとのフランチャイズ契約で運営し、アメリカ展開の足がかりにするもくろみだ。

「ニューヨークは10万円ぐらい出せばおいしい寿司が食べられるが、安いところは中国系企業の運営する店だったりして、質もそれなり。日本の職人が握る、超高級ではないがおいしい寿司というのはまだ少ない」
蛎田氏の理想の寿司店が、世界に試される機会が早くも来るようだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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