「立喰鮨かきだ」が渋谷駅前に出店する"賭け" 修業ゼロで寿司握り人気店を実現した蛎田社長

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しかし現代の立ち食い寿司は値段も格式もさまざま。例えば1989年、新橋店から始まり全国に展開している「魚がし日本一」は、マグロ2貫300円だ(新宿西口店)。高級な店としては、「麻布十番 秦野よしき」の立ち食い業態である「立喰 鮨となり」が、おまかせ(並)10貫6600円。

持ち帰り店を展開する「ちよだ鮨」は立ち食いだけで3ブランドを抱えており、そのうちの「立食いすし処 ちよだ鮨」はマグロ1貫140円だ。値段だけで比べれば、立喰鮨 かきだは、「最強おまかせセット」よりワンランク下の10貫のセットが3000円なので、高級店とチェーン系列店の中間ぐらいだろう。

月商で500万〜1000万円

肝心の客入りはどうだろうか。運営するユニポテンシャル代表取締役の蛎田一博氏によれば、月商で500万〜1000万円。坪あたりの売り上げで40万〜80万円というところなので、坪あたり売り上げ30万円なら繁盛店、といわれる飲食業界においては大成功だ。

しかし同氏によれば「目標に達していない」という。どういうことなのだろうか?

立喰鮨 かきだ 最強おまかせ10貫
赤酢のシャリは少し硬めに炊いてあり、米の粒が立っている。酢飯の甘さを抑えてあるため、特製の出汁醤油を塗っていただく(撮影:今井康一)

理由はコストパフォーマンスの高さにある。同店ではできる限り品質の高いネタを使っており、原価は50%に上っているという。利益を出すためには原価を30%に抑えるというのが業界の常識のため、原価50%で儲けを出そうと思えば、普通の1.5倍、売り上げなければならない。つまり坪あたり平均60万円というところだろう。

確かにそれならば、40万〜80万円の同店は合格ラインではあるが大成功とはいえないかもしれない。

「おまかせセット」税込3000円。鮨10貫に煮穴子1本握りと味噌汁、ガリが付く(写真:ユニポテンシャル)

なお、「最強おまかせセット」は、もともとはトロやウニが入って10貫3000円の「最強おまかせ10貫」の量を増やし、セットにしたもの。絶妙なバランス調整のもと、高コスパが実現したという。

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