海運のキーワード「内航船」とは一体なにか? 歴史ある「山形県酒田港」に見る地方港の復権

✎ 1〜 ✎ 56 ✎ 57 ✎ 58 ✎ 59
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ランドクルーザー70に乗って取材に訪れた酒田港の本港(筆者撮影)
ランドクルーザー70に乗って取材に訪れた酒田港の本港(筆者撮影)

日本国内の物流を海路から担う、内航船(ないこうせん)。

そう聞いても、ピンと来ない人が多いだろう。

物流の主力はトラックであり、船による物流の情報は一般的にほとんど知られていないからだ。そもそも、物流そのものについて、一般的な関心は薄い。

ところが、いわゆる「2024年問題」がメディアで大きく取り上げられるようになり、状況が変わってきている。

今回、内航船と港の関係について詳しい話を聞くため、歴史的な商業船舶「北前船(きたまえぶね)」の起点として名高い、山形県庄内地方の酒田を訪ねた。

この記事の画像を見る(11枚)

目的地は「みなとオアシス酒田」

酒田までの移動は東京からクルマで約500km。東北自動車道「福島JCT(ジャンクション)」、東北中央自動車道「山形JCT」を経て、山形自動車道で雪深い「月山IC(がっさんインターチェンジ)」から一般道へ。

国道112号線を走り、「湯殿山(ゆどのさん)IC」付近から山形自動車道 を行くと、眼の前に標高2236mの鳥海山(ちょうかいさん)と最上川(もがみがわ)の自然景観が広がる庄内平野が現れる。

酒田港周辺の地形がよく分かる航空写真。鳥海山の麓に緑豊かな庄内平野が広がる(写真:山形県)

酒田港周辺の地形がよく分かる航空写真。鳥海山の麓に緑豊かな庄内平野が広がる(写真:山形県)

酒田港に着くと、本港(ほんこう)と呼ばれる地区に「みなとオアシス酒田」がある。新鮮な魚を購入したり食したりできる「さかた海鮮市場」、海の博物館「酒田海洋センター」、そして山形県唯一の有人離島「飛島」への定期船発着所など、庄内地方の人々と観光客などでにぎわう場だ。

 庄内地方は米の産地であり、庄内発の「つや姫」は全国で人気が高い。そのほか、各種農産物や多種多様な魚介類が採れる“美食の地”としても知られており、近隣空港が「おいしい庄内空港」と名付けられているほど、食に対する自信を持つ地域だ。

そんな「みなとオアシス酒田」エリアにある山形県港湾事務所で、酒田港の過去、現在、未来について意見交換をした。

次ページ物流を陸路から海路へ
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事