日本国内の物流を海路から担う、内航船(ないこうせん)。
そう聞いても、ピンと来ない人が多いだろう。
物流の主力はトラックであり、船による物流の情報は一般的にほとんど知られていないからだ。そもそも、物流そのものについて、一般的な関心は薄い。
ところが、いわゆる「2024年問題」がメディアで大きく取り上げられるようになり、状況が変わってきている。
今回、内航船と港の関係について詳しい話を聞くため、歴史的な商業船舶「北前船(きたまえぶね)」の起点として名高い、山形県庄内地方の酒田を訪ねた。
目的地は「みなとオアシス酒田」
酒田までの移動は東京からクルマで約500km。東北自動車道「福島JCT(ジャンクション)」、東北中央自動車道「山形JCT」を経て、山形自動車道で雪深い「月山IC(がっさんインターチェンジ)」から一般道へ。
国道112号線を走り、「湯殿山(ゆどのさん)IC」付近から山形自動車道 を行くと、眼の前に標高2236mの鳥海山(ちょうかいさん)と最上川(もがみがわ)の自然景観が広がる庄内平野が現れる。
酒田港に着くと、本港(ほんこう)と呼ばれる地区に「みなとオアシス酒田」がある。新鮮な魚を購入したり食したりできる「さかた海鮮市場」、海の博物館「酒田海洋センター」、そして山形県唯一の有人離島「飛島」への定期船発着所など、庄内地方の人々と観光客などでにぎわう場だ。
庄内地方は米の産地であり、庄内発の「つや姫」は全国で人気が高い。そのほか、各種農産物や多種多様な魚介類が採れる“美食の地”としても知られており、近隣空港が「おいしい庄内空港」と名付けられているほど、食に対する自信を持つ地域だ。
そんな「みなとオアシス酒田」エリアにある山形県港湾事務所で、酒田港の過去、現在、未来について意見交換をした。
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