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JR貨物、輸送拡大へ現場が直面する「理想と現実」 カギはコンテナの大型化、整備に国も後押し

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「モーダルシフト」の実現へJR貨物が取り組むのが、積み換え拠点の拡大とコンテナの大型化だ。だが、なかなか利用が進まない現実もある。

東京貨物ターミナルに設定された「積替ステーション」(写真:JR貨物)

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トラック運転手の時間外労働規制の強化で物流の停滞が懸念される「2024年問題」が4月から本番を迎えた。だが、鉄道需要にまだ活気はみられない。官民あげてトラックからの「モーダルシフト」が叫ばれる中、顧客から待望される「積み替え拠点の拡大」「コンテナ大型化」のペースは鈍い。なぜなのか。現場の実態を追った。

東京・品川区の東京貨物ターミナルの一角に「積替ステーション」がある。

3月下旬の午前11時。引っ越し業者の4トントラックが誘導員に導かれてステーションに到着し、3人のトラック作業員が手際よく家具などを5トンコンテナに詰めていく。作業員らは荷物を積み終わると、組み立てた段ボール箱を緩衝材として、隙間に敷き詰めていく。慣れた手つきで10分足らずで作業を終え、トラックは去っていった。

「鉄道利用運送事業者を通して予約してもらい、2時間半の枠の中で作業をしてもらう。1回に3~4台のトラックが利用でき、引っ越しシーズンなど繁忙期には発着あわせて40台ほどトラックが来ている」(東京貨物ターミナル駅の提坂拓哉駅長)

積替ステーションで鉄道を身近に

貨物鉄道を利用する際、一般的には運送業者が手配したコンテナ専用トラックが荷主の倉庫を訪れ、荷物をコンテナに積んで直接駅に運ぶ。しかし、コンテナ専用トラックを普段から利用していない荷主にとって、鉄道は馴染みの薄い存在だ。そこで、一般のトラックで荷物を持ち込み、コンテナに積み替える場所を提供して鉄道を気軽に使えるようにする。これが「積替ステーション」だ。

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