日本はいかにして「高級チョコ大国」になったのか 1990年代後半から高級店の進出が始まった
最も驚いたのは当時、入り口でドアマンが扉を開けてくれたことです。主にチョコレートのために室内の温度と湿度を管理することが理由でしたが、店を訪れた誰もが特別な気分になったことでしょう。
ひんやりした店内には「バー ア ショコラ」と呼ばれるカフェが併設され、いつも静かにショコラ ショ(ホットチョコレート)やチョコレートケーキを味わうことができました。
デカダンス ドュ ショコラ
2002年には、日本でレストランなどを経営する株式会社グローバルダイニングが運営する高級チョコレートの店「デカダンス ドュ ショコラ」が開店しました。
当時東京・代官山にあった本店は、外国人の住居だった洋館を改築した店で、アンティーク家具が並び、シャンデリアがきらめく大人のための空間でした。「大人が虜になるような高級な嗜好品」をテーマにチョコレートや焼き菓子を販売していました(現在、白金台などで販売)。
1粒1000円のチョコレートも登場
<2003年>
ル ショコラ ドゥ アッシュ
2003年に開業した六本木ヒルズに「ル ショコラ ドゥ アッシュ」が開店しました(現在、店舗は銀座へ移転)。場所は高級店が立ち並ぶ、六本木けやき坂通りです。人気パティシエの辻口博啓さんによるチョコレートブランドとあって、平日でも行列ができるほどの人気ぶりでした。
私もよく足を運びましたが、今も心に残っているのは黒トリュフのボンボンショコラです。値段はなんと1粒1000円! 愛好家だった私も驚く、私にとっての史上最高値でした。私が2003年にスタートしたチョコレート情報専門ブログの最初の記事は、この黒トリュフのチョコレートの感想です。
オリジンーヌ・カカオ
2003年には、和光の初代シェフだった川口行彦さんが独立し「オリジンーヌ・カカオ」を自由が丘に開きました(現在は閉店)。いつ訪れても精巧に作られたチョコレートやケーキがショーケースで輝いていました。特に印象的だったのは、「ケッツァ」というカカオ分80%のチョコレートを使った濃厚なケーキです。
カフェではカカオパルプ(カカオの果肉)のジュースが提供され、いち早くカカオの魅力を伝えていた先進的な店でした。
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