質の高い睡眠を実現する「最初の4時間」の重要性 スマートウォッチで「睡眠を記録」する参考に

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夜にメラトニンが働くためには、朝きちんと光を浴びて、眠気を生み出すセロトニンという幸せホルモンが分泌される必要があります。こうしたメラトニンとセロトニンのサイクルが繰り返されているため、私たちは夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるのです。

眠り始めの4時間が何より大事

深睡眠のあるなしが睡眠の質に大きな影響を与えますが、さらに重要なのが、眠りについてから4時間以内に深睡眠がとれるかどうかです。

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは、眠ってから朝まで4~5回ほど繰り返されますが、もっとも深睡眠をとりやすいのは、ノンレム睡眠の最初と2番目。これがちょうど眠り始めてから4時間以内に当てはまるのです。

この際に深睡眠がとれていれば、睡眠の質は十分高いといえるでしょう。反対に、眠りについてからの4時間で深睡眠がとれていなければ、いくら睡眠時間が長くても心身の疲労がとれず、目覚めもスッキリしてきません。

睡眠時間は十分足りているはずなのに、眠りが浅くてスッキリしないという人は、自律神経が乱れている可能性もあります。交感神経が優位で体が緊張したままだと、うまく寝つけず、ぐっすり眠ることができないのです。

また、目覚めてもなかなか疲れがとれずにボーッとした状態が続くことを「睡眠慣性」といいます。スッキリ目覚められていないので、疲れが残って体がだるいと感じるのです。

深部体温と眠気のリズム(イメージ図)
(出所:『「寝つきが悪い」「すぐに目が覚めてしまう」人のお助けBOOK』)

人の体には、上のグラフのように深部体温(内臓など、体の深い部分の体温)が上がると活動が活発になって下がると眠くなるという仕組みがあります。深部体温は夕方をピークに下がっていき、夜に眠気が訪れますが、このリズムが狂うと、睡眠の質がどんどん悪くなります。

忙しくて睡眠時間がしっかりとれないなら、睡眠の質を高めるしかありません。そのために、睡眠周期の最初に訪れるノンレム睡眠のときに、どれだけ深く眠れるかに力を注ぎましょう。

「寝つきが悪い」「すぐに目が覚めてしまう」人のお助けBOOK
『「寝つきが悪い」「すぐに目が覚めてしまう」人のお助けBOOK』(主婦の友社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
白濱 龍太郎 睡眠専門医

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しらはま りゅうたろう / Ryuutarou Shirahama

医学博士、産業医。医療法人RESM新東京・新横浜理事長。日本オリンピック委員会・医科学強化スタッフ、TOKYO2020選手用医師。日本睡眠学会評議員、総合診療専門医、社会医学系指導医。福井大学客員准教授。筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。

東京共済病院、東京医科歯科大学附属病院を経て、2013年に「RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」を開設。睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーなどの睡眠にまつわる病気を適切に診断するために、最新の医療機器を導入し、日本睡眠学会認定施設として専門医療を提供している。主な著書・監修書に『1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』『ぐっすり眠れる×最高の目覚め×最強のパフォーマンスが1冊で手に入る 熟眠法ベスト101』『ぐっすり眠る習慣』(以上、アスコム)、『こんなに怖い 図解 睡眠時無呼吸症候群』(日東書院本社)など多数。

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