急拡大の「スリープテック」気になる進化と現在地 スポーツ界などで導入進むもデータ活用は途上
アスリートの世界では、長時間のトレーニングをよしとする体育会系的発想は今や時代遅れとなり、適切な休養、とくに「睡眠」の確保が重視されるようになっている。
メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が、「睡眠時間は基本的に10時間」「いつ寝るかの準備を計画的に行う」と公言してからは、一般の人も自身の睡眠や、睡眠とスポーツの関連について注目するようになったことだろう。
睡眠とスポーツの関係は、アメリカを中心にさまざまな研究が行われている。例えば、十分な睡眠時間の確保は身体の回復力を高めること、筋力や持久力の向上につながること、集中力の向上でケガを減らす効果が得られることなどがわかっている。
さらに最近では、最新のテクノロジーを使ってアスリートの睡眠を分析し、その質を高めるために「スリープテック」の活用も始まっている。
世界の市場規模は250億ドル
スリープテックは、2012年ごろに登場したと言われている。ウェアラブルデバイスやIoT機器などに搭載されたセンシング技術を使って、睡眠時間はもちろん、眠りにつくまでの時間や寝ている時の姿勢、寝返りの数、いびきなど睡眠中のさまざまなデータを収集。そして、得られたデータを基に専門家がアドバイスしたり、AI(人工知能)で分析したりすることで、よりよい睡眠につなげる製品やサービスを提供しようというものだ。
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