急拡大の「スリープテック」気になる進化と現在地 スポーツ界などで導入進むもデータ活用は途上

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世界市場規模はデバイスだけで、2024年は約248億ドル、2033年までに約1100億ドルに達すると予測されている(Precedence Research調査)。国内市場に関しては、2024年に140億円、2026年には175億円になるとの予測も出ている(矢野経済研究所)。

当初は、寝具の下に敷くマットやベッド本体、枕といった寝具をはじめ、ベッドサイドに置く時計や照明に取り付けたセンサーなど、寝室で利用するものが主流だった。だが最近では、スマホやスマートウォッチ、スマートバンド、スマートリングといったウェアラブルデバイスの標準機能として睡眠時間などが可視化できるようになり、体調コントロールにつなげる人たちが増えている。

そのほかにも腕輪やアイマスクなど、続々と新しいものが開発されているが、中でもスマートリングは、バッテリーの持ちが長く、日常生活や睡眠の妨げにならずに安定してデータが収集でき、昼寝や居眠りまで検出できるという点で人気が高まっている。今年7月にリリースされたサムスンのスマートリング「Galaxy Ring」(日本は未発売)も、睡眠分析機能が搭載されたことで販売数を伸ばしているという。

さらにこれから登場しそうなのが、イヤホンタイプだ。耳に装着して脳波などの生体信号を計測することができるデバイスが開発されており、今年1月にアメリカで開催されたテックイベント「CES 2024」でもプロトタイプが展示されていた。Appleも同様の機能についてワイヤレスイヤホンで特許を取得しており、生体情報を収集しながら入眠効果がある音楽を流すといった使い方を可能にするのではないかと噂されている。

イヤホン型バイタルセンサー
「CES 2024」ではスリープテックのコーナーもあり、イヤホンなどバイタルや睡眠時間を計測できるウェラブルデバイスも登場している(写真:筆者撮影)

プロスポーツ界でも活用が進む

スリープテックは、医療やヘルスケア、ドライバーの安全サポートなどさまざまな領域で活用が始まっているが、スポーツ分野では早くからプロの間で導入されている。試合が夜間や不規則な時間に行われ、長距離の移動も多いため睡眠不足になりがちな選手をケガから守り、パフォーマンスを高めるのが目的だ。アスリート個人だけでなく、プロチームが選手のサポートとして活用する動きもある。

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