再開発の東京で増える「金太郎飴ビル」への"反動" 高層ビルが乱立するなか余白を意識した施設も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

商業施設とその屋上空間の公園利用でいえば、渋谷のMIYASHITA PARKと似たような雰囲気を感じるが、こちらもどうなっていくのか楽しみだ。

高速道路が公園に?KK線の廃止はどうなるか

ちなみに「公園を作る」という文脈で私が注目しているのが4月上旬の「KK線の廃止」。KK線は、銀座の横を通る高架の自動車道で、首都高速道路の代替ルートの誕生に伴い、廃止される。

注目すべきは、その活用方法。

取り壊しをせず、道路全体を公園のように作り変えるという。ニューヨークには同じような作り方で生まれた「ハイライン」という公園があり、それらを参考にする。

ハイライン
ハイラインの様子。高速道路がきれいな公園に様変わり(ハイライン公式HPより)
ニセコ化するニッポン
『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。楽天はこちら

高度成長期から次々と建てられた巨大公共建築物は、人口減少・老朽化に伴って今後は必要なくなっていくものも増えるだろう。

そのとき、残された「遺物」をどう処理していくのかは、これからの日本の都市において喫緊の課題である。

その解決方法として「公園」を作るのはとても興味深いと思う。KK線廃止から公園誕生までのプロセスがどうなっていくのかも含めて、経過を見ていきたい。

高層ビルと公園の増加を軸に2025年の新施設を紹介してきた。両者は異なる都市の機能を満たしてくれるものであり、それらがバランスよく開発されることが重要である。

2025年の新施設のオープンで、都市の風景はどのように変わっていくのか。それぞれの開業を楽しみに待ちたい。

谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事