後ほど、地元の不動産屋さんに話を聞くことになるのだが、その方いわく「この街は、全体がコンパクトに整理されていることが魅力のひとつでもある」のだそう。
駅前の風景を書き割りセットのように感じたのは、街に必要な施設が無駄なくコンパクトに配置されているからなのかもしれない。
高幡不動駅は、京王電鉄の京王線と京王動物園線、さらに多摩都市モノレール線が乗り入れている。京王線とモノレールは、もちろんホームが違う。少し歩くのだが、京王高幡ショッピングセンター内の移動なので、ついでの買い物などにも便利だ。
駅の南口を出て、駅舎を背に右の方向を見ると、「高幡不動尊参道」のレトロチックな門構えが確認できる。
浅草寺と違って年末年始以外はわりと静か
参道は、不動尊の山門まで一直線に120mほどだ。両側には銀行、バーバー、整骨院、青果店、甘味処、などの店が並ぶ。初めは何も考えずに歩いたが、往復したときにふと違和感を覚えた。なんだろうと、来た道をもう一度戻った。すると、違和感の理由がわかった。
神社仏閣の参道は、参拝客を当て込んだ店が並んでいるものだ。ところがこの高幡不動尊参道にはそうした店が、あまりない。どうしてだろう。街の人たちの話を総合することで、筆者なりに分析してみた。
「年末年始はすごいお客さんでね。駅周りも大変ですよ」「大晦日は夜通し電車が走っているから参拝客も便利なんだよね」「お正月はここら界隈は本当に賑やかになりますよ」
出てくる話は年末年始ばかり。どうやらそれ以外は、さほどの混雑はないものと思われる。つまり、一年中観光客でごった返す浅草の浅草寺のようなゴタゴタをこちらで心配することはなさそうだ。
参道も、参拝客を当て込むより、地元の人たちの商店街として生きるほうが効率的なのであろう。
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