脳疲労の具合は頭を触ることで確かめられる 過去への後悔、スマホ閲覧、スポーツでも脳は疲労する

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ネガティブな思考の反復、いわゆる反芻思考のクセも、DMNの使いすぎと関連しており、脳の疲労に直結します。つまりクヨクヨと思い悩む人ほど脳のエネルギーを浪費し、脳疲労を起こしやすいということです。

膨大な視覚情報による疲労の蓄積

原因②目や耳からのストレス

脳の疲労は、目や耳や鼻など、五感から入る情報に起因することも多いです。特に目からの情報は、脳疲労の大きな割合を占めています。このことは多くの人が実感していることでしょう。

SNSや動画配信サービス、そしてオンラインゲームなど、数えきれないほどの情報が、スマートフォンなどを通して私たちの目に飛び込んできます。それらが切り替わる速さはどんどん増しており、画面をスクロールする速さも相当速くなっています。

膨大かつ目まぐるしく変化する視覚情報にさらされる日々は、脳疲労の蓄積を引き起こします。また、目の酷使は動体視力の低下につながるという観点からも、目の状態に配慮することはとても重要です。

同様に、耳や鼻からの情報も脳疲労につながるので、使うときと使わないとき(休めるとき)の取捨選択が必要になります。

視覚が原因となる脳疲労はパフォーマンスへの影響が大きく、試合の前日はスマートフォンに触れないようにしているプロ野球選手もいるぐらいです。しかし、情報源をシャットアウトするだけでは回復能力を改善するには不十分なので、目や耳のリカバリートレーニングも行います。

原因③不良姿勢で血流低下

姿勢が悪いために、脳の疲労が進むことがあります。たとえば不良姿勢、いわゆる猫背であごを前に出した姿勢が典型的です。この姿勢は首が圧迫されるので、血流を妨げます。

血流が低下すると新陳代謝が低下し、本来、短期間で分解・排出されるアミロイドβ(脳内でつくられるたんぱく質の一種)などのさまざまな老廃物や疲労物質が溜まります。その結果、脳の疲労が進み、脳機能が低下していきます。

特にストレートネックなどの首の歪みや肩周りの緊張は、姿勢や動作という直接的な影響だけでなく、このような脳の疲労による間接的な影響を生むので、なるべく早急に改善する必要があります。

脳が疲労したときの症状としてはボーッとしてしまうなどが代表的ですが、怒りっぽくなってしまうケースも多いです。ふだんなら笑って見過ごせるようなことにも怒ってしまうことがあれば、脳疲労を疑ってください。前頭前野と呼ばれる、感情のコントロールを担う領域が疲労して機能低下すること、感情の安定を担うセロトニンという物質の分泌が減少することがおもな原因として考えられています。

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