「1000億円投資」ジャパネットが握る長崎の"命運" 異例の「民設民営」スタジアムに見る"究極の地元愛"

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マスコットキャラクターの「Jくん」
ジャパネットホールディングスは通信販売・EC事業で会社を成長させてきた。写真はマスコットキャラクターの「Jくん」(写真:筆者撮影)
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通信販売でおなじみのジャパネットホールディングス(以下:ジャパネットHD)が今年10月にオープンした複合施設『長崎スタジアムシティ』。
前編『長崎「試合がない日も1万人」スタジアムの凄さ』では、開業から2カ月で来場者95万人を記録し幸先の良いスタートを切った同施設を実際に訪れ、紹介した。後編となる今回は、ジャパネットHDが異例の開発に至った経緯や今後の課題について分析する。

多いのは「公設民営」

サッカーに限らず、プロスポーツ仕様のスタジアムは、数百億円にものぼる初期投資(建設費用)の捻出が大変だ。この負担を和らげるために、国や自治体からの補助が活用されるケースが多い。2024年に開業した「エディオンピースウイング広島」の例を取ると、「建設費用の2/3を自治体・国で負担」、「開業後も広島市が所有」、「チーム(サンフレッチェ広島)が運営管理、委託料で回収」という「公設民営」方式を取っている。

しかし、長崎スタジアムシティは「ジャパネットホールディングス」(以下:ジャパネットHD)による「民設民営」。アリーナ・商業施設・オフィスなどを含めた総投資額は、同社の通販風に言えば「すべて、コミコミで、全部お付けして!」約1000億円にのぼる。

長崎スタジアムシティ エントランス
長崎スタジアムシティ エントランス 左側はピーススタジアム、右側はサウナがある「SOUTH」棟(写真:筆者撮影)
ハピネスアリーナ
ハピネスアリーナは、バスケットボールBリーグ「長崎ヴェルカ」の本拠地でもある(写真:筆者撮影)
「ヴィヴィくん」
V・ファーレン長崎のマスコット「ヴィヴィくん」。Jリーグのキャラクター投票で全体1位を獲得したこともある(写真:筆者撮影)

なお、ジャパネットHDは年間売上高2630億円(2023年12月期)、中核となる事業は言うまでもなく、テレビショッピングなどの通信販売・EC事業だ。

なぜジャパネットHDは、2本目の事業の柱として「スポーツビジネス」「都市開発」に力を入れ、ここまでの投資を行うようになったのだろうか。まずは「長崎スタジアムシティができるまで」という前史から辿ってみよう。

【画像10枚】高田明氏の父が創業した「カメラのたかた」(長崎県平戸市)やムーディーな夜のスタジアムを写真で見る
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