東京海上、次期社長に託された抜本改革と成長戦略 海外駐在の小池常務が「11人抜き」でトップに就任へ
東京海上ホールディングス(HD)は1月14日、アメリカ駐在で中南米地域などを担当する小池昌洋常務執行役員(53歳)が、6月の株主総会を経て社長に昇格すると発表した。6年ぶりの社長交代で、小宮暁社長(64歳)は会長に就く。
小池氏は小宮氏より11歳若く、入社年次も11年の差がある。
東京海上日動の役員を含めると「30人以上抜き」
東京海上HDによると、HDの役員としては11人抜きで、傘下の東京海上日動火災保険の役員を含めると30人以上のごぼう抜きでグループのトップに昇格するという。
東京海上日動では2024年4月、執行役員営業企画部長だった城田宏明氏が33人抜きで社長に昇格している。城田氏に続き、持ち株会社・東京海上HDにおいてもトップの大幅な若返りを図った真意とは何なのか。
小宮氏は報道陣からの問いに、「あくまで人物本位」とかわしたうえで、「国内事業、海外事業の両方に精通していなければいけない」と説明。HDと東京海上日動、それぞれの経営企画部長を務めており、海外駐在の経験も豊富なため、グループ全体を見渡す視野を持った小池氏が、次期トップとして最適だと判断したという。
小池氏は記者会見で、「若手時代のあだ名が『体育会系外国人』だった」と笑いながら話したが、その持ち味はコミュニケーション能力の高さだろう。上下関係を重んじながらも、時に小宮氏など上司に直言。担当する子会社の売却で、従業員が動揺するような状況では、部下たちに真正面から向き合ってきた。
東京海上が2018年に、再保険事業の中核子会社トキオ・ミレニアム・リー(TMR)の売却を決めたときには、当時の統括責任者として「円形脱毛症になりながら」(小池氏)も、従業員に丁寧に事情を説明し対話を繰り返したという。
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