中途採用「前職からのお土産」に潜む重大リスク 安易に「経験を活かして」と言ってはいけない
こうした持ち込みリスクを防ぐには、中途採用の面接時・入社時点で、「前職の『企業秘密』や『営業秘密』は絶対に持ち込まないでください」と警告をすることが必要です。
安易に「経験を活かして」と言ってはいけない
しかし、採用面接に際して、「これまでの知識と経験をわが社で活かしてください。期待しています」などと安易に言っていたりすると、転職者に「警告は建前」と受け取られる可能性があります。
建前ではなく「本気」であることを伝えるには、そもそも中途採用の面接時に誤解されるような表現をしないように慎重である必要があります。
また、退職の意向を示した者と退職後の秘密保持契約を締結する際のポイントと同様に、
ことが必要です(図表)。
ことなども注意しておくと、さらに警告となるでしょう。
※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
転職者によって前職の「企業秘密」が持ち込まれていることが明らかになった場合には、ただちにその使用を止めます。場合によっては、当該企業に謝罪し、事実を説明に行くことも必要だと思います。
アサミ経営法律事務所代表弁護士。(株)APT、(株)ドラEVER社外監査役。1997年早稲田大学法学部卒業、2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)、2009年アサミ経営法律事務所設立。企業危機管理・リスクマネジメントを中心に、会社法・株主総会・情報セキュリティ(企業秘密・個人情報)・危機管理広報など企業法務全般に取り組んでいる。著書に『判例法理・株主総会決議取消訴訟』(中央経済社、共著)ほか、記事執筆、メディア出演多数。
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