例えば、「『今、落ち着きを失っているな』と感じたら丹田呼吸をすればいい」という知識だけ覚えていても、いざその場面に遭遇すると、思うようにお腹に呼吸を落とせないでしょう。
あるいは「人の話を『聞く』のが大事」と自分に言い聞かせていても、「おれだったらこうするね」などと求められてもいないアドバイスをしてしまったり。
こればかりは、実際に試しながら成功と失敗を積み重ねていく以外に方法はないのです。
迷いながらでも、大丈夫
禅が何より「実践」を重んじるのはそのためです。疑いながら、迷いながらでもまったく構いません。
むしろ、行動することで「あれ、本で読んだ通りにはいかないぞ」「これって、うまくできてるのかな?」「書いてあることがおかしいんじゃない?」といった新たな迷いが生じると思います。
それでも、大丈夫です。
行動によって生じた迷いは、次の行動によって打ち消せばいいのですから。
すべての迷いが一挙に晴れることはありません。
しかし少なくとも、一つ動けば、そこで得られた経験が一つ迷いを消してくれるはず。
一つ動けば、一つ成長できる。
それは、禅が「行動」を説く理由そのものでしょう。
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