「新年の目標設定」が"3日坊主"になる意外な理由 思い通りいかない世で、おおらかに生きる知恵

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例えば、「『今、落ち着きを失っているな』と感じたら丹田呼吸をすればいい」という知識だけ覚えていても、いざその場面に遭遇すると、思うようにお腹に呼吸を落とせないでしょう。

あるいは「人の話を『聞く』のが大事」と自分に言い聞かせていても、「おれだったらこうするね」などと求められてもいないアドバイスをしてしまったり。

こればかりは、実際に試しながら成功と失敗を積み重ねていく以外に方法はないのです。

迷いながらでも、大丈夫

禅が何より「実践」を重んじるのはそのためです。疑いながら、迷いながらでもまったく構いません。

むしろ、行動することで「あれ、本で読んだ通りにはいかないぞ」「これって、うまくできてるのかな?」「書いてあることがおかしいんじゃない?」といった新たな迷いが生じると思います。

それでも、大丈夫です。

行動によって生じた迷いは、次の行動によって打ち消せばいいのですから。

すべての迷いが一挙に晴れることはありません。

しかし少なくとも、一つ動けば、そこで得られた経験が一つ迷いを消してくれるはず。

一つ動けば、一つ成長できる。

それは、禅が「行動」を説く理由そのものでしょう。

枡野 俊明 「禅の庭」庭園デザイナー、僧侶

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ますの しゅんみょう / Shunmyo Masuno

1953年、神奈川県生まれ。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣(当時)新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年、『ニューズウィーク』誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。主な作品はカナダ大使館庭園、セルリアンタワー東急ホテル庭園「閑坐庭」、ベルリン日本庭園「融水苑」など多数。曹洞宗徳雄山建功寺住職、多摩美術大学環境デザイン学科教授。著書に『心配事の9割は起こらない』『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力』(以上、三笠書房)など。

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