やわらかな心を持つことが、日々の苦しさを和らげてくれるとはいえ、ただ受け流しているだけでは、いつまでも現実は変わりません。
禅の教えでは、しなやかさと同時に「行動」も重視されています。
迷いや失敗を恐れずに一歩踏み出すことで、心が整い、次の道が見えてくるのです。
ここからは、「動くことで得られる成長」について考えてみましょう。
禅の言葉が示す、実践を重ねる重要性に触れていきます。
一つ動けば、一つ成長できる
目の前にあるコップに注がれた水は冷たいのか、温かいのか。
そんな些細なことすら、見ているだけではわかりません。
実際に飲んでみるか、手を触れてみる以外に、冷暖を知る方法はない。
「冷暖自知(れいだんじち)」とは、そんな意味の禅語です。
何事も、そうなのだろうと思います。
要は、考えることより、動くことが大切。
本で読んだことも「なるほど、そうか!」と思っても、頭に知識を入れたのみでは悟りに至りません。
少しでも実践に移し、身体で会得してこそ、悟りと言えるのです。
ネットで何でも調べられる時代になり、部屋でスマホを弄っているだけでも「禅とは」「悟りとは」「丹田呼吸とは」と語れるようになりました。
しかし、情報を集められることと、「わかる」ことは、天と地ほどにも違うのです。
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