大学入試は「年内合格続々」、東洋大が広げた波紋 大学「全入時代」、選抜方法の在り方が問われる

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なお、一般選抜の比率は年々減り続けており、2024年度の一般選抜による入学者は29万1590人(47.5%)である。

この状況の要因は、総合型選抜(旧:AO入試)が増加傾向にあることだ。大学入学者における総合型選抜での入学者の比率は、2020年度では10.4%であったが、2024年度では16.1%と年々増加している。

大学入学者における選抜方式の比率

背景には、2021年度より大学入試センター試験から大学入学共通テストに切り替わったことがあり、大学入試改革による大きな変化を受験生が嫌ったのが要因と考えられる。

2021年度はコロナ禍での受験であったことも影響している。集合型の共通テストや一般選抜の学力試験では大人数が密室に詰め込まれ、感染リスクがあった。試験の実施すら危うかったのだ。

実は、その前年度(2020年度)の受験生も、共通テストがどのような内容になるのかわからない、大学入試改革で"入試地図"が変わるかもしれないなどの不安から浪人を避け、確実に進学先を確保したいと安全志向が強まった。そのため指定校推薦やAO入試(当時)で、できる限り早く受験をする動きも目立った。

この傾向が翌2021年度の受験ではさらに強くなったのだ。

選抜方式にこだわらなくなってきている

大学入試改革とコロナ禍で、これまで「一般入試(当時)を受けて大学へ」とAO入試や指定校推薦に抵抗していた高校も、生徒の「進路実現」を目指して、できる限り早く確実に入学先を確保するために、早期に実施されるAO入試、指定校推薦の受験を容認するようになった。

こうした経緯から受験生の中に「どんな選抜方式であっても大学に入ればいいんだ」といった認識が広まり、一般選抜(旧一般入試)にこだわらなくなってきている。

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