マスク氏ロケット打上連発「火星移住」実現するか スペースX「3つのスゴさ」をわかりやすく解説

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「ファルコンヘビー」は、ファルコン9を3基くっつけたような形になっている大型のロケットです。

エンジンの数は「9×3=27」で27基あり、ファルコン9よりもはるかにパワフルです。より多くの荷物を、より遠くまで(火星にまでも!)運ぶことができます。

これまで全11回の打ち上げに成功。先月は、地球外生命の痕跡を探るNASAの探査機「エウロパ・クリッパー」を無事に打ち上げました。

10月15日、NASAの探査機エウロパ・クリッパーを搭載した「ファルコンヘビー」が打ち上げられる瞬間(画像:SpaceX)

人類史上最大のロケット「スターシップ」

現在、もっとも注目を集めているロケットが、「スターシップ」です。第1段目の打ち上げロケットを「スーパーヘビー」、第2段目の宇宙船を「スターシップ」と言いますが、全体をまとめて「スターシップ」とも呼びます。

第1段目と第2段目を組み合わせた全長は、121m。人類がこれまでつくってきたロケットのなかで、史上最大のロケットになります。

ファルコンシリーズとは異なる、高性能で革新的なエンジンが、打ち上げロケット「スーパーヘビー」に33基、宇宙船「スターシップ」に6基搭載されています。

スターシップは、アルテミス計画の第3弾で、月を回る軌道から月面に人を運ぶ「月着陸船」として活躍する予定です(地球から月を回る軌道までの往復は、NASAのロケットが担います)。

イーロン・マスク氏は、将来、スターシップを船団のように地球から送り出し、「多くの人を火星に運ぶ宇宙船」としての使い道を構想しています。

大きな期待を背負って、現在、試験飛行が繰り返されています。なかでも、10月13日に行われた試験は大きな話題になりました。

スペースXのロケットには、「再利用する」という共通点があります。荷物を運んで切り離されたあと、地上に帰還する仕組みが備わっているのです。

「ファルコン9」「ファルコンヘビー」には地上に着陸するための脚がついていますが、「スーパーヘビー」には着陸脚はありません。打ち上げ発射台のタワーに取り付けた腕でキャッチして回収する仕組みになっています。

10月13日、スターシップの5回目の試験飛行にて初チャレンジして、まさかの大成功。とんでもない偉業を成し遂げていました。11月20日の6回目の試験飛行では、空中キャッチは行われずにメキシコ湾に着水しましたが、安全面から事前に想定されていたプランの1つでした。

ちなみに、キャッチする腕は、「チョップスティックス」と呼ばれており、映画『ベスト・キッド』で空手の師匠が「箸」でハエを捕まえようとするシーンが由来となっています(師匠は苦労していましたが、スペースXは一発で決めてしまいました)。

打ち上げロケット「スーパーヘビー」に取りつけられた宇宙船「スターシップ」 。6回目の試験飛行の前夜(画像:SpaceX)
10月13日、5回目の試験飛行で、「スーパーヘビー」が地上に帰還し、「チョップスティックス」にキャッチされる瞬間の様子。3枚の写真の合成(画像:SpaceX)
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