「会社がつらい」同期トップ入社の彼に起こった事 「発達障害グレーゾーン」の人たちの特徴とは?
発達障害とは、「自閉症スペクトラム障害:ASD(Autism Spectrum Disorder)」(自閉スペクトラム症またはASD)や「注意欠如/多動性障害:ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)」(注意欠如・多動症またはADHD)などの障害の総称です。
さきほどの特徴も、ASDとADHDに見られるそれぞれの特徴を挙げたものです。職場の発達障害に関する相談で圧倒的に多いのがこの2種類であることから、本書ではASDとADHDを対象として、「発達障害」という表現を使います。
「グレーゾーン」は、発達障害の傾向がありながら、その診断がついていない人たちです。
グレーゾーンは発達障害の「傾向」があることで、「グレーゾーン」という診断名が存在するわけではありません。自分は発達障害かもしれないと思って医療機関を受診した場合、その傾向はあるものの診断名がつくほどではないときに、医師から「発達障害の傾向があります」などと告げられます。
社会に出てから発覚するグレーゾーン
近年、社会に出てから初めて発達障害を疑い、精神科や心療内科を受診する人が増えています。企業でカウンセリングをしていても、「自分は発達障害かもしれない」という悩みを抱えて、相談にくる人が少なくありません。
メディアなどで頻繁に発達障害が取り上げられることも影響しているでしょうが、社会構造が複雑になり、適応できない場面が増えてきたことも一因ではないかと思われます。
筆者のところに発達障害を疑ってカウンセリングにくる人は、比較的若い世代が多いように感じます。
学生時代は環境に適応できていたけれど、社会に出てから適応が難しくなり、ネットなどで調べると発達障害の特性が自分に当てはまるので心配になったという人が多いです。
先述しましたが、発達障害は脳機能の発達に関する障害で、先天的なものとされていることから、気づいていなかっただけで、社会人になって初めて発達障害を発症することはありません。グレーゾーンはなおさら、社会に出てから発覚することが多いといえます。
Aさん(男性20代)は、難関大学を卒業し、入社時の筆記試験で同期トップの成績を修めて、コンサルティング会社に入社しました。先輩社員と一緒にクライアント業務を担当。財務分析や市場動向調査などを担当し、わかりやすい資料を作ると社内外でも評価されていました。
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