小学校の人気者が、中学で孤立もーー46%がいじめを経験する「発達障害の子どもたち」の苦悩 周囲の大人は何ができるか

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(beauty-box / PIXTA)

過去最多を更新し続ける不登校児童・生徒数。一方で、発達障害を疑われる児童生徒の増加も叫ばれている。

筆者が教育界隈の取材をするようになって10年、幾度となく発達障害のある子を育てる家族と出会ってきた。学校で、検査を受けるよう言われたある家庭は訪れた病院で「この子は発達障害ではなく、そんなレッテルを貼る親のあなたがおかしい」と言われ、自分の育て方の問題なのかと悩んだという。また別の家庭では父親の無理解が原因で検査が遅れ、息子は中学で教師からひどい扱いを受けたという。

日本初のADHD外来を設置したことで有名な昭和大学附属烏山病院の元院長岩波明氏によれば、正しい診断をできる医師はまだ少ないという。結局、発達障害とはなんなのか。大人、親が知っておくべきことについて話を聞いた。

医師でも見分けが難しい発達障害

――病院によって診断結果が違うという方がいました。診断の揺れはよくあることなのでしょうか?

発達障害の診断を正しくできる医師はそれほど多くいない、というのが日本の現状です。

発達障害に関する診療は、日本では長らく自閉症スペクトラム症(ASD)の診断が中心を占めていたため、年配の医師の方は、発達障害イコールASDと考えている方がいまだに見られます。医学教育の中で、発達障害に関する診断や治療についてのトレーニングが始まったのはごく最近のことです。そのため、正しい知識を持っている医師がまだ少ないのが現状です。専門医も少なく、大都市圏に集中しています。地方では診断できる医師を見つけるのも難しい状況が続いています。

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