若手社員が突然退職、不条理を解き明かす"カギ" すぐ辞める社員に多い3つのパターンとは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

どちらかに偏った状態では健全な組織は成立せず、個々の人生も充実したものにはならない。「どちらか」ではなく「どちらも」大切にできるように、バランスを取る努力や工夫をしてくことが求められる。

すぐ辞める若手社員によく見られる傾向とは?

Z世代の若手社員は、2つの人格をうまくチューニングできていない人が多いように感じる。それゆえ、Bのような突然の離職が頻発するのだと筆者は考えている。

すぐ辞める若手社員によく見られるのが、次の3つのパターンだ。

1. 「モチベーションが上がる仕事をしたい」と言う

このような発言をする若手社員は「個人人格」と「組織人格」を混同している可能性が高い。モチベーションは自分の意志にかかわらず、上がったり下がったりするものである。だが、いくらモチベーションが上がらなくても、舞台上でいい加減な演技をする理由にはならない。

優秀なビジネスパーソンは、モチベーションが下がっているときも、役割演技力に影響が及ばないように自分自身を律することができる。言い換えるなら、「個人人格」の状況によって「組織人格」における言動が左右されないということだ。

「個人人格」と「組織人格」を混同している人はこれができないため、パフォーマンスが安定せず、周囲からも評価されない。それを仕事のせいにしているので、「モチベーションが上がる仕事をしたい」という言葉が出てくるのだ。

マネジャーとしては、「モチベーションの高低で仕事の成果に影響を及ぼすのは、プロとして良いことではない」と指摘するのが健全である。

2. 配属ガチャに一喜一憂する

「希望の部署に配属されなかったから」という理由だけで、簡単に離職する若手社員が増えている。いわゆる「配属ガチャ外れ」だ。

これは、初舞台でセリフのない通行人の役を与えられた新人役者が、「俺は通行人をやるために劇団に入ったんじゃない」と、舞台からの降板を申し出るのと同じことだ。

新人役者が最初からセリフのある役をもらえないのと同様に、若手社員は、必ずしも希望する部署に配属されるわけではない。にもかかわらず、「配属ガチャに外れた」と離職する人は、「個人人格」に重きを置き、「組織人格」と統合しきれていない人だと言える。

Z世代は、「個性を大切に」と言われて育ってきた世代である。もちろん個性は大切だが、勘違いしてはいけないのは、ビジネスにおける個性は「舞台上での個性」であるということだ。役者が舞台上で精一杯、自分の役を演じきったときに、にじみ出るその人らしさが個性なのである。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事