入社後3年以内に部下が退職、その「症例」と対応策 上司に心がけてほしいポイントを3つ紹介

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若手エンジニア
入社3年目までの社員にやる気を持ったまま働いてもらうために、上司はどうしたらいいのでしょうか(写真: kou / PIXTA)
「入社前に期待したほど、仕事が面白くない……。採用してもらえる今のうちに、早めに転職してしまおう」
このような理由で転職する新入社員は少なくありません。『Z世代の社員マネジメント 深層心理を捉えて心離れを抑止するメソドロジー』を上梓した小栗隆志氏は、入社1~3年目を「スタートアップ期」と位置付け、「この時期の新入社員は、入社前の期待と現実のギャップが離職理由になりやすい」と言います。
厚生労働省のデータでも、大卒新入社員の入社3年以内の離職率は32.3%と高い数値になっています。離職率低減を図るうえで最初に乗り越えるべきハードルは、スタートアップ期にありそうです。
1回目:若手社員が突然退職、不条理を解き明かす"カギ"
2回目:「転職当たり前」の時代に育てたい部下の"We感覚"
3回目:本記事

スタートアップ期に陥りやすい3つの症例

前回お伝えした通り、オンボーディングを通じた「一体化」には5~10年程度の時間がかかる。今回から、入社1~3年目、3~5年目、5〜7年目に期間を分けて、オンボーディングのポイントをお伝えしていきたい。

まず入社1~3年目の「スタートアップ期」は、慣れない言葉や慣習など、組織・仕事の文化になじみきれていない時期といえる。その中で新入社員は、組織や仕事における自分の「役割」や「可能性」を見出そうともがいている。

第1回でお伝えした「個人人格と組織人格」の観点でいうなら、入社までの意思決定は個人人格が主導しているが、入社すると途端に組織人格が求められるようになる。社会人期間の短い新入社員は、組織人格としての「役割演技力」が身についていないので、もがき苦しむのは当然だ。

この時期は、「入社前の期待」と「入社後の現実」のギャップが離職原因になることが多い。要は「思っていたのと違った」というわけだ。このような前提を踏まえてスタートアップ期の離職へと至るまでによくある、新入社員の心境変化を見ていく。

スタートアップ期の新入社員は、個人人格において以下の3つの「症例」に陥りやすい。

●意味(Meaning)不足

仕事に意味(Meaning)を感じることができず、やる気を喪失している状態である。「やりたいことと違う……」という心の声が大きくなるのが1つ目の症例だ。

就職活動では事業や仕事に魅力を感じ、面接では「入社したらやりたいこと」を力強く語った。内定を勝ち取り、期待を胸に入社したものの、実際に働いてみると、思っていたほど仕事が面白くない。この状態が続くと、職場や仕事から逃げたいと考えるようになる。

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